学校ブログ

5月1日【1年道徳】みんなと仲良くするために

1年生は道徳の勉強中。題材名は『みんな いっしょ』。教科書見開きページには、校庭で遊ぶ子どもたちのイラストがあり、その中央には「わたしもいれて」と書かれています。

子どもたちはイラスト中で寂しい思いをしている子や悲しい思いをしている子に印をつけています。その後、友だちと仲よく遊ぶ上で、好ましい行いをしている子にも印をつけました。黒板には、「みんなとなかよくするために、たいせつなことは?」と書かれています。担任は、子どもたちと対話しながら、他の子と仲よくするためにどのような働き掛けをしたらいいのか、具体的にイメージできるようにしていたのですね。

さらには隣の子と話し合うことで、望ましい行動についてより深く考えた1年生。

1年生は学校にも少しずつ慣れ、安心して生活できるようになっています。これからさらに友達関係が広がっていくだろうこの時期に、円滑によりよい友だち関係を築く子どもができるよう、授業でも働き掛けています。

今までは生徒指導は問題行動があったときに適切に対応することに重点が置かれていました。しかし、これからは普段の生活の中で、積極的に互いに信頼のおける関係を築けるよう指導することで、豊かな生徒指導に結び付けることも重要だとされるようになりました。これによって問題行動の未然防止にもつながることでしょう。

そんな指導を受けつつ、休み時間にも笑顔で生活している1年生です。

5月1日【2年学級活動p4c】みんなが好きなことって何?

いくかの学級で謂わばゲリラ的に行ってきたp4c。「探求の対話」とか「哲学対話」などとも言われます。

2年生ももちろんp4cを体験しますよー。2年生に対話の問いを募ったところ、「今日の給食のメニューを知りたい」「明日は何の勉強をするの?」とかなり現実的な問い。「p4cは答えのないことについて対話する」ってことを伝えないうちに、2年生のパワーと勢いに押され、純粋に子どもたちの対話したい問いとしたところ、子どもたちから出され、選ばれた問いは次のものでした。

「みんなは、今どんなことが好きなの?」

おおー!いいですね。子どもたちは互いのことを知りたいのね。たっぷり20分間。互いを理解し合うためのp4c!

さて、対話ですが、「私の好きなものは〇〇です。どうして好きなのかというと・・・」と理由も明らかにしつつの、自己紹介的な発言が続きます。みんな発言意欲が旺盛。そして聞く子たちも発言者をじっと見つめながら、しっかりと聞いています。一人ずつ発言者が話し終わるたびに、学級全体で拍手が巻き起こるのです。とってもいい雰囲気。

2年生はどんなものが、あるいはどんなことが好きなのでしょうか。いくつか紹介しますね。

「私は〇〇ダンスです。振付が面白いからです」
「ぼくはレゴ(ブロック)です。お母さんに買ってもらったもので、とても面白いです」これには周りの子から「おおー!いいじゃん」という声がそこかしこから湧き上がっていました。
「本です。いろいろなことを知れるからです」
「お兄ちゃんと遊ぶことです。兄ちゃんとゲームをしたりすると楽しいです」
「ダンボールで遊ぶことです」
「スポーツのテレビゲームです。バドミントンができて、楽しいです」
「私は掃除です。家がきれいになると嬉しいです」
「犬と遊ぶことです。ボールを投げると取りに行ってくれて、楽しいです」
「妹と遊ぶことです。妹はうるさすぎるからです」ははははは。なんでー。

みんな興味津々に聞いています。
考えを深める対話ではありませんでしたが、他者に対して新たな気付きを得ることができた対話でした。
発言意欲は言うに及ばず、聞く態度も素晴らしかったです。
時々発言者の方を向いて聞くことができないお子さんもいましたが、そのたびに教師は「今はこの場に『セーフティ』はありますか?」と問いかけます。「そこに愛はあるんか!?」みたいですね。ははははは。
『セーフティ』とは、安心して参加できる雰囲気のことを言います。「発言しても否定されることはなく、受け入れてもらえる」という安心感、「あいまいなことでも、考えが必ずしもまとまっていないことでも、途中までしか分からないことでも、発言できる」という安心感。これが質の高い対話の重要な条件となるのです。
そして、これを徹底することで、学習指導のみならず、生徒指導上でも大変大きな教育的効果が見込まれるのです。

2年生、安心してこのp4cを存分に楽しみました。私も楽しかったあ。
みんな、これからもセーフティを大切にして毎日を過ごしてね。

5月1日【6年学級活動p4c】人はなんのために生きているのだろう

6年生は早くも3回目のp4c。今回のテーマはノンジャンル。6年生が疑問に思っていることについて、ジャンルを問わずに問いを設定し、みんなで対話します。
子どもたちが問いを出し合ったところ、素晴らしい問いが並びました!ホントすごいね、君たちは!

・幸せとは何か?
・何でもしていいと言われたら、人は何をするのだろう?
・どうして戦いが起きるのだろう?
・なぜ人というのがあるのだろう?
・深海で生息する生き物はどうやって暮らしているのか?
・人は何からできているの?
・人はどうして差別するのか?
・人はなぜ生きるのか?
・人類が生まれた理由はなんだ?
・正義とは?
・どうしてこの世には悪い人がいるのか?
・がんばっているって誰が決めるの?
・天才とは何か?
・本当に怖いことは何だろう?
・なぜ生き物が住める地球があるのか?
・天国には何があるのか?
・どうして人には名前があるのか?
・人間はどうやってこの世界に来たのか?
・この地球は何なのか?
・宇宙はどこまで続いているのか?
・世界はどうやってできた?
・何で地球には空気があるのか?
・いじめの意味とは?

似た問いごとに分類しようとしたのですが、似た問いはありませんでした。
オリジナリティあふれる6年生の問いの素晴らしさ。
新潟大学佐渡自然共生科学センターの豊田光世教授は、「p4cでは人との違いが強みになる」とおっしゃっています。やるなー、6年生。
さて、数多ある問いの中で僅差で選ばれたのは次の問いでした。
「人なんのために生きているのだろう?」
う~ん、しびれますねー。私目頭が熱くなっちゃって・・・。
と、泣いてばかりいられないので、対話の主な様子を追っていきましょう。

まずは問いを出したお子さんから。
「映画とかで人が環境破壊をしているシーンを見て、ほかの動物たちは迷惑だろうなあって」
なるほどー、素晴らしい気付き。ところが難しい問いと見えて、この後なかなか発言が続きません。
そこで早くも私が発言。「ねえ、確かに人類は環境破壊をして他の動物たちに迷惑をかけている。じゃあ、人類は消滅した方がいいのだろうか?それとも存在する意義はあるのだろうか?」
挙手を求めると、「消滅した方がいい」7人、「存在意義はある」その他多数となりました。
そこで存在意義があるとした子たちにその理由を問いました。
「人のせいで地球環境は悪くなっている。でもなあ・・・・。(無言で考える)・・・でも、楽しいから」
頭の中で曖昧模糊とした考えを、中途半端なままで言語化し、発言しながらも考え続ける。
これなのです、私がp4cで求める子どもの姿のひとつは!完成された意見の発表会に陥ってはなりません。
「私も生き続けた方がいいと思います。壊すのが人間なら、よくするのもまた人間だから」
おー!すごい意見が続きます。
「人間は、例えば絶滅危惧種の動物を保護するとかいいこともしてる」
「そうそう、人間が管理している環境もある。川とか」
「うん。人間がいないと植林した木とかが伸び放題になっちゃって、却って環境によくない。整備するなど管理する人がいなくちゃ」
「SDGsとかもそうでしょう。これは人間ができること。いや人間しかできないこと。動物にはできないよね」
「人がいることで、この世界は成り立っている」
「これまで人間がやってきたこと、築いてきたことを捨てては、この世界は成り立たない」
「そうなると、他の生き物も困ると思う」
「人間ができる活動はほかの動物たちにはできない」
「人間が悪いことをしちゃったことは、人間だけが直せる」
私も発言。「人間がいなくなったら、生き物たちのバランスが崩れてしまう。それはほかの生き物にもよくないこと」
「残念ながら、人間が環境破壊をしちゃってる。しかし、人間は知恵を生かしてそれを乗り越えることができるんじゃないか」
「人間にできることはある」
対話も終盤に差し掛かりました。私が発言します。
「われわれ人間がやるべきことは何だろう?」
「う~ん。人間がやるべきことは、やっぱり知恵を生かして、この世界を変えていくことなんじゃないかな」
「そうだね。動植物たちにもいい環境になるように」


写真をご覧ください。
何人かのお子さんが発言している姿なのですが、みんなうつむいて、コミュニティ・ボールを触りながら、話していますね。
そりゃあそうでしょう。はっきりまとまらない考えを話すんですから。どきどきしているんでしょうね、きっと。
こんな発言しちゃってもいいのだろうか、馬鹿にされたりしないのだろうかって。
でも、6年生はもちろんのこと、p4cで人の発言を否定したり、馬鹿にしたりする人なんていないのです。
6年生はp4cを重ねるごとに、セーフティがその場にあることを感じ、間違っているかもしれない意見やあいまいな考えをあいまいなままで表現することができるようになっていきました。
今回の対話も後半になって、どんどんと発言が続き、子どもの思いが響き合い始めていきました。
これからもp4cという対話を重ねていくことによって、互いをケアし合い、信頼し合える関係を築いていけることでしょう。
いい感じです、6年生!

4月30日【3年学級活動p4c】どうしてサンタさんに会えないの?

さあ、3年生もp4c初体験!テーマはノンジャンルで、「みんなで話し合いたい問い」を子どもたちから募ります。子どもたちの対話ですからね。

すると、出るは出るはで、問いのオンパレード!中には哲学的な問い、根本的なことを問い直すクリティカル・シンキングによって出された問いも。ご紹介します。 *( )は一人2票での子どもたちの得票数です。

・どうして服を着なくちゃならないの?(昔の人は服なんてなかっただろうに)(1)
・生まれる前、命ってどうやってできるの?(0)
・どうしてお札には偉い人の顔が描かれているの?(2)
・「人間」「動物」「魚」ってそもそも何?(0)
・何でアニメってあるの?(0)
・どうして地球は存在するのか?(9)
・どうして生まれる前に男女が分かるの?(1)
・どうして犬が神様のように扱われていた時代があったの?(1)
・何で富士山は噴火するの?(1)
・どうして学校はできたの?(9)
・何で人間には名前があるの?(4)
・恐竜の時代には、ご先祖様はいたのか?(2)
・何で土曜日に学校で勉強することがあるのか?(0)
・どうしてご飯を食べなくちゃいけないの?(8)
・どうして「時」は流れるの?(3)
・どうして電化製品ってできたの?(0)
・なぜ人は「寒気」を感じるのか?(0)
・どうして子どもは大人の言うことを聞かなくちゃならないの?(5)

そして、これら素晴らしい問いを抑え、見事「第1回3年p4c」に選ばれた問いは・・・・!
じゃーん!
「どうして、サンタさんに会えないの?」でーす!おー!ぱちぱちぱち✋✋✋ 13人の子どもたちから支持されました。
なんやかんやあっても、やっぱり気になるよねえ、サンタさん。
では、対話の様子を見ていきましょう!
とはいっても、p4cを始めることができたのは、残り10分の時点でした・・・。とほほ。
短時間でしたが、集中した子どもたちの対話の様子をご覧ください。
「どうしてサンタさんに会えないのかというと、私サンタさんが来る頃には眠っちゃってるんです。だから会えないんです」
そうだよねえ。起こしてくれればいいのにね。
「きっとサンタさんは見つからないように、静かにプレゼントを置いているからだと思うよ」
「だから子どもだけじゃなくて、大人も眠ったままで起きないんだ」
「うん、みんな寝てる」
「真夜中だしね」
「サンタさんはみんなが寝てる頃を見計らって来てるんだと思うよ。眠ってからプレゼントを置くんだよ」
「ぼくはサンタさんは超音速スピードで飛んでくるから、見えないんだと思う」
私も我慢できなくなって、発言。
「クリスマスの頃になると、アメリカの米航空宇宙防衛司令部が空飛ぶサンタさんをレーダーで追跡するらしいよ」(そういうサイトがあります)
これを聞いた子どもたち一同、「やっぱりー!」って顔してますなあ。ははははは。

このp4cは、ものすごく短い時間しかとれませんでしたが、子どもたちは全員がよく集中していました。だって、ものすごく興味がある問いだものね。
もっと時間があったら、もっと面白い意見が聞けただろうなあと思えるp4cになりました。
p4c終了後、「校長先生、p4c面白かったです!」とわざわざ報告に来てくれたお子さんがいました。
どうもありがとう。私もすごく楽しかったです!

4月30日【6年理科p4c】ものの燃え方

この日、6年生は早くも2回目のp4c。教科は理科です。
発言数は必ずしも多くはないのですが、じっくり考え、新たな気付きが多くある6年生のp4c。今回は「ものの燃え方」についての対話です。

まず始めに教師が子どもたちの前で実験。集気びんの中で燃え続けるろうそくの炎ですが、ふたをするとあら不思議。炎はやがて消えてしまいました。これを見た子どもたちが立てた問いは次のものでした。
 A どうして、ふたをすると火は消えたのか?
 B 火が点いたり消えたりする条件は何か?
 C 瓶に穴を開けたらどうなるか?
 D 火を燃え続けさせるにはどうしたらいいか?
 E 火が燃えるのは、呼吸と同じなのか?

このEの発言が出ると、一同「???」です。火が燃えることと、人間が呼吸することと関係あるの?って顔しています。しかし、子どもたちは「そういう考え方もあるのね」っていったん受け入れていました。う~ん、素晴らしい!

この中で対話したい問いとして子どもたちに選ばれたのはCでした。そこで、早速p4cに突入!しないのですな、これが。実は私、子どもたちの考えを先読みして、空気の出入りを自由にした、底のない集気びんを用意していたのです。私の予想的中ですな、なーはははは。
で、これで同じように実験してみると、今度はいつまでも火は燃え続けています。
これを確認した後に、漸くp4cに突入です!
問いはBの「火が点いたり消えたりする条件は何か?」です。さすが6年生。科学的思考ばっちりの問いですね、素晴らしい!

では、大まかな対話の流れを見ていきましょう。
問いを出したお子さんが発言します。「火が燃えるには空気が必要でしょう?」
この発言を受けて、他の6年生は「もう答え出ちゃったなあ」って顔しています。これ以上対話する必要ないんじゃないの?って感じです。
しばらくし~んとしているので、私が問いかけます。
「火が消えた後の瓶の中には、空気がなくなっているの?」
「瓶の中には空気はある。でも、それは古い空気なの」
「古い空気?」
「空気の中でも『酸素』っていうのが必要なのです。火が燃えるためにはこの『酸素』が必要」
「火が消えた後、瓶の中には『ただの空気』しかない。だから消えた」
「ただの空気?」
少しずつ少しずつ発言が出るようになっていきました。
「人間は呼吸するでしょう?人間が呼吸した後は酸素がなくなっている。それと同じなの」
この段階で問いの候補Eに辿り着いたのです。
続きを見てみましょう。
「火が消えた後に、何か火を消すようなものが出てるんじゃないかな?」
おっ!
「そう、それ二酸化炭素っていうんだよ。二酸化炭素が瓶の中で多くなった」
「木はその二酸化炭素を吸って酸素を出しているって聞いたことがある」
と、ここでタイムアップ。もっと時間があれば、もっと面白くなっていったのになあと思います。
さて、対話では自分が確信を持てていない考えや授業でまた学んでいない知識もどんどん出されていきました。確信が持てない考え、その場でたまたま思いついた考えを積み上げていき、さらに自分が今まで見聞きした知識を組み合わせる中で、子どもたちは新しい考えを作り出すことができるのだろうと思います。練り上げとでもいえばいいのでしょうか。
今後この単元あるいは対話の中で出された知識について学ぶ単元で学習していく過程で、理解を深めるとともに、今日の段階ではあいまいとしていたことが、突然腑に落ちたり、「ああー、そういえばあの時・・・」と思える伏線になるのかもしれませんね。
p4cは「探求の対話」とも言われます。
子どもたちが今後学び、真理を探究することにつながるp4cとなりました。