7月23日【6年p4c】勇気とは何か?

6年生は1学期もぎりぎりまでp4cを楽しみます。
この日の問いは私が決めました。それは「勇気とは何か?」です。
夏休みを前に、6年生はどんなことを語るのでしょうか。とっても楽しみです。
では、早速いってみましょう!

教師「自分がやりたいことややるべきことなんだけれど、できないことって私はある。どうしてなんだろう、それって勇気がないからなのかなと思って」
「人は勇気があると、自分が気になることを人に訊くことができる。大切なことについては、勇気を出して訊くといいと思う。それと、勇気を出して人に話しかけるって大切なことだと思う、話しかけられるのを待ってるだけじゃなくてね」
「私も人に話しかけるときって勇気がいる」
「そうだよね。私も、勇気が出なくて、うまくできなかったことがある」
「勇気ってさ、目の前の恐怖に打ち勝つことなんじゃないかって思う」
「うん。目の前の恐怖に打ち勝って第一歩を歩み始めるときって、やっぱり勇気が必要。でも一歩踏み出しさえすれば、その後はすんなりいくこともあるよね。そういう意味じゃ、第一歩って大事だし、それ故に勇気が必要になるんだと思う」
対話はスタートしたばかりですが、かなり深いところまで突っ込んで話していますね、6年生!
「考えがあるんだけど、手を挙げることができないことがある」

教師が子どもたちに確認すると同じような体験をした子が多数であることが分かりました。
教師「手を挙げることができないのは、どうしてなんだと思う?」
「勇気が足りないからだと私は思う。みんなはどう?」
話が深くなっちゃって、ついて来れないのかな。続いて挙手する子は現れず、し~んとなってしまいました。先ほど発言した子が続けます。
「こういう時に勇気を持つべきだと思うよ」
この発言がうつむいていた子たちを刺激します。
「私が挙手できない時は、間違ってるかもしれないと思うからかな」
「私もそういう時あるけれど、勇気が足りないんだと思う。あと、やる気ね」
「勇気、やる気が足りないってのもあるけれど、恥ずかしさが先に立っちゃう時もある」

6年生は自分自身を振り返り、自分自身を見つめながら、対話を続けます。
「挙手して話すってさ、覚悟が大事だよね。やっぱり覚悟」
「うん、そうだね。挙手したり発言したりする時だけじゃなくて、勇気を出すには覚悟が必要」
「発言してそれで間違ってしまった場合、否定されるのが怖いんだ」
「そういう意味じゃ、自分を信じる心が大切ってことになるよね」
「そう。自分に自信を持つのもね。勇気を出して1回挙手したら、2回目からは自信がつくと思う。第一歩が肝心だし、だからこそ第一歩に勇気がいるんだよね」
「私はね、自信がないときでも発言できることもある。そういう時って、心の中で自分で自分を応援するんだよ。『がんばれー、がんばれー🏳‍🌈)))』ってさ」

教師「例えば、いじめがこのクラスで起きた時。いじめを止めるのって勇気がいるよね。大きな勇気が。でも、そんなに大きな優気を出さなくてもできることってあると思う」
「信頼できる仲間や友だちと一緒にいじめを止めるとかね」
教師「私の持論は、困難なことは自分一人じゃなくて、みんなでやることが大事なんだ」
「大人に話すのもいい」
「うん。勇気を出してお母さんとかに話す」
「内緒で話すにも、やっぱり勇気がいるよね」
「相談した相手が悪くて、嫌なうわさが立っちゃうかもしれないし」
「いじめている人に注意する時には、言い方を優しくする必要がありそう」
「いじめに気付いたら、一人で抱え込んで悩むんじゃなくて、先生とかに相談するといいと思う」
「信頼できる人に相談することが大事。いじめに気付いたら、勇気を出して一緒に戦う仲間をつくろう!」
最後に教師が全員に問い掛けました。「『いじめに気付いた時、勇気を出して苦しんでいる仲間を助けたい』って思う人は?」
すると、全員が挙手しました。
ここでタイムアップ。時間ギリギリまで約40分間ノンストップp4c。私、もうお腹いっぱいです。

子どもたちはこの日のp4c、どう捉えたかな?

この後、一人一人が対話を振り返りました。
「私はいじめがあったらどうするか。今日のp4cでとても勇気がついたので、いじめがあったら注意できると思います」(このお子さん、数日前の家庭学習で「いじめをなくすには?」というテーマで作文を書いてきていたのです。このテーマでp4cをしたいとも。この作文では、一般的には自分もいじめられるのが怖いから、見て見ぬふりをしちゃう人が多いのではないかとまとめていました)
「勇気は人からもらったり、自分で出したり、あげたりできるんじゃないか。勇気が出ない人は勇気がないんじゃなくて、探してないんじゃないか。今日のp4cで、勇気は恐れないこと、恥ずかしがらないこと、覚悟があることではあるが、恐れても恥ずかしがっても覚悟がなくても、一歩前に進むことが大切なんじゃないか。【新たな問い】なぜ勇気が大切なんだろう?」
「勇気はやる気を引き出す!」
「このp4cはすごくいい授業だと改めて思いました。(自分の思ったことを発言するには勇気が必要だけど、)「誰も否定しない」「自分が気になることがあれば、みんなに質問する」「自分の考えをしっかり発表できる」というこのp4cは、すごくいい場所だと思いました」
「勇気があれば何でもできると思う。どんな理由でも人を助けることができる。一人で戦わないこと。いじめられている人がいたら助けたい。大人、友だちと解決する」
「勇気とは、いろいろなことにチャレンジすることだと思った。勇気があれば、人は強くなるのではないかと思った」


「(対話前)勇気を出すべき時に出すのは難しいと思った。勇気を出そうとするにも勇気がいる。(中略)(対話を終えて)いじめがクラスで起こっても止めるために行動することができる。勇気と挑戦は少し似ているような気がした。覚悟をして、勇気を道具として使うこともできる。【新たな問い】勇気はどうやって身に付けるのだろう」
「(対話前)勇気があっても止められないものもある。勇気は大切だけれど、それがすべてではない。勇気は何にでも挑戦する感情。(対話を終えて)いじめが起きたら、自分で止める。すぐに逃げない。これこそが勇気のある行動だと言える。【新たな問い】勇気はやる気のように湧いてくるものなのか。それとももともとあるものなのか?」
「勇気とはまず気持ちから始まる。自分と違う考えに対して、自分の考えを話すのは勇気がいる。私は「あの時、勇気を出せば」と思うことがある。(中略)勇気は見つけるもの。勇気を出すことによって誰かから嫌われることもあるかもしれない。でも自分のためだけじゃなくて、人のためにも勇気を出すことがある。勇気を出すことに反対する自分を押し込めて、心を燃やして勇気を出す。初めから勇気のある人間はいない。不安を抱えつつも、誰かのために、自分にしかできない勇気をもって話した人を大切にしたい。勇気は自分のためにも相手のためにもなる。勇気を出す人にはたくさんの感情がある。勇気とは人を成長させるもの。自分の考えを伝えるためのけじめ。【新たな問い】勇気とは何のためにあるのか。勇気のつかい道。誰のために?優気によって変わるもの。勇気を出すとよいことは?」
「私は発言できなかったけれど、たくさん考えました。もしもコミュニティ・ボールが回ってきても、たくさん考えたことを話せずにそのまま「パス」して終わってしまうかもしれません」


<この記事で、最後に紹介されているお子さんへ>

あなたは、p4cの間中、ずーっと考えていましたね。振り返りのプリントにびっしりと書き込んでいたことからも分かりましたよ。素晴らしいことだと思います。考えるってとても大切なことです。そして発言できるようになりたいという思いを持ち続けることも同じように大切なことだと思います。そんなあなたの「ああなりたい、こうなりたい」を私たち(学校教職員)は全力で応援しますよ!