6年生の「命の授業」第3弾!私もものすごく楽しみにしていました。
子どもたちがどんな対話を繰り広げるのか、楽しみで楽しみで仕方なかったのです。
今回の特別ゲストは、夢のある小路から長谷川様。あらかじめ利用者の方から質問にお答えいただいていました。
問いは「何のために人は働くのかな?」です。
では行ってみましょう!私、対話をファシリテートしながら涙が出そうになっちゃったもんね。
「その仕事や仕事で作られるものを必要としている人のためだよ」
「私は、一番は人の笑顔のためだと思う」
「うん。社会だとか誰かのためだと思うよ」
「私は自分のためだと思うよ。自分の人生のため」
「仕事していて人と関わる中で、関わった人と仲良くなるためだと思う」
「やっぱりお金。お金を稼いで生活するため。あと、仕事で培った技術を得るため」
「誰かを守るためだと思う」
「ほら『やりがい』って言うでしょう。やりがいを得るためだと思う。それが周りの人のためにもなる。家族を守ったりするためでもある」
「新しい自分を見つけるため」
「新しい自分って何?」
「仕事する中で、または人と関わる中で、思ってもみなかった自分になっているってこと、あるんだよ」
教師「ああ。午前中、2年生と一緒に『まちたんけん』に行ったんだけど、あるお店の人に訊いたら『チャレンジ』だっておっしゃってたよ」
「ふ~ん」
教師「夢のある小路さんに予め利用者さんに質問しててもらったことがあるんだ。今日はその回答も持ってきてもらっているんだよ」
夢のある小路さん「『パンを作るのは楽しいですか?』って訊いたら、みんな『楽しい』っておっしゃってたよ。あと、『お客さんに買ってもらうとどんな気持ちですか?あるいはありがとうって言われた時の気持ち』には、『嬉しい』『また買ってもらいたい』っておっしゃってた」
夢のある小路さん「一方で、『大変なことは何ですか?』って訊いたら、『たくさん作らなくちゃならない時』『仕分けの作業を間違えないようにすることが大変』『多少疲れていても、がんばらなくちゃいけないこと』『障碍があり、できないこともある中で、できる限りのことをしなくてはならないこと』とおっしゃってた」
教師「18トリソミーのしずくさんとのp4cで、みんなは『人は何かを成し遂げたり、社会の役に立ったりするから生きる価値がある』という考えにはならなかったよね。『生きてるだけで価値がある』って考えた」
「うん。そうだよね」
教師「生きているだけで価値があるのに、なぜ時には大変な思いをしながらも働かなくちゃならないんだろう?」
「仕事が楽しいからじゃないかな?」
「周りの人たちのことが好きだから、みんなを幸せにするのが嬉しいんだと思う」
「ああ。働くことで、幸福を得られるんだ」
「パンを作っている人にとっては、お客さんが笑顔になるのが嬉しいんだね」
「例えば、生まれてきたばかりのときはきれいなガラスだとするでしょう。それを磨き上げていくと、さらにきれいになるっていうか」
「働くのはさ、働かないで生活をしているだけでは得られないものがあるんだ。そう、自分が何か新しいことができるようになったとか、できなかったことができるようになったとか」
「ああ、『成長』したっていう実感なんじゃないの!」
「そう。『成長』のために働いてるんだ!」
「わたしね。世界的に有名なダンスチームに入ったの。そこで練習するととっても楽しいよ。それでダンスがうまく踊れるようになると『自分は成長したな!』って思える」
「できなかったことができるという、新しい自分に出会えるっていう感じ」
「新しい姿、新しい景色が見られる。自分の成長のため!」
「新しいことができるようになった時、『わたし、こんなこともできるんだ』って思ったことあったよ」
「小さいことも大きいことも、一つずつ超えていくように。できることが増えていくときは嬉しいよね」
「p4cで様々な意見が出るでしょう。思いもよらなかった意見とか。そういう意見に出会う時、成長できる」
「みんながp4cで成長できるんだね」
「家事のお手伝いをしてたら、料理できるようになったよ」
「私もダンスチームに入っているんだけど、最初はまだ小さかったからうまく踊れなかったの。でも練習を続けて、踊れるようになれた時は嬉しかった。様々なことができるようになるにつれて、関わる人が多くなっていった。そのうち、もの凄い人とか、世界的に活躍している人とかと一緒に活動することもできてるんだ。嬉しいよ」
「確かに、ずっとやっていると友だちが増えてくる。で、楽しくなる」
「ぼくはテニスをしてるんだけど、苦手なプレーも、最初はできなかったけど、たくさん練習してできるようになっていった」
教師「できなかった時は、もうあきらめて、やめちゃおうって思わなかったの?」
「う~ん。どうかな。ライバルに負けたくないって気持ちがあったから続けられたのかな?」
「私思うんだけどね、成長って、成長しようって思ってもなかなかできないもの。でもやっているうちにいつの間にか成長できているっていうものじゃないかな。最初の目的は成長したいっていうのとは違うって言うか」
「失敗続きでも、失敗から学んでの成長ってあると思う」
「『成長したい』って思う時には、自然と努力してるのかも」
「夢を叶えるために、たくさん努力して、成長する。そういうのの積み重ねが夢を切り拓くきっかけになるんじゃないかな?」
教師「ねえ、みんなに訊きたいんだけど、成長って一人でできるものなの?それともみんなで支え合ってできるものなの?どう思う?」
挙手をしてもらったら、全員が成長はみんながいて成し遂げられるものと考えていることが分かりました。
「誰もいなかったら、ここまで成長してこられなかった」
「家族、友だちとか、みんながいなかったらここまで成長できなかった」
「夢に向かう時も」
「そう。いろいろな人に助けたもらってきたから、成長できたんだと思う」
「互いに支え合うことで、さらに成長できた」
「もしかしたら一人でも成長できるのかもしれないけど、つらいことがあっても、みんなで励まし合うことでさらに成長できる」
「私、運動会の応援団に入って、やる気はあったんだけど、ちょっと不安もあったんだよね。みんなにうまく指示できるかなとか号令を上手にかけられるかなとか。でも、仲間がいたからこそがんばれたんだと思う」
教師「アメリカの心理学者マズローが『人間は成長したい』という欲求があるという趣旨の言葉を遺しているんだよ。君たちが対話している中で考えていたことと同じなのかもね」
教師「みんなに訊きたいんだけど、一生懸命働いてもうまくいかず成長できなかったことってあるかもしれない。そうなったら、その働くには価値がないと思う?」
子どもたち「いや、ある!」
教師「それとさっきの対話で思ったんだけど、私は辛かったら一旦やめてもいいと思う。それでも人の価値は下がらない?」
子どもたち「(首を激しく縦に振りながら)うんうん。下がらない!」
教師「最後に夢のある小路の長谷川さんに、p4cに参加してもらっての感想をいただこう」
長谷川さん「『働く』ってことが『成長』ということに広がり、深まったね。『なぜ働くのか?』が成長とか達成感とか自己肯定観の向上に繋がった。障碍のある方々は、社会の中で劣等感に苛まれながら生きている。『自分もできる』っていう思いを持てるように、これからも関わっていきたいと思います」
もう言葉はいらないでしょう!
今の6年生がこの対話に表れています。
お見事!