松はチューリップとともに当校のシンボルになっています。
しかし、その松が危機的状況に陥っているのです。
地域の平野さんから、松と築地地区との古くからの密接なかかわりとともに、マツクイムシが松枯れを引き起こし、地域の松が壊滅きな被害を被っている現状を伺いました。
特に、地域のある企業の敷地内の松は青々としているのに、道路を一本隔てた空き地の松は壊滅的なのは、なぜか。
その理由を平野さんに伺うと、企業の松は薬剤を蒔いている、いわば予防注射をしているのだということでした。
松枯れは学校の松林も例外ではありません。やっぱり何本かはマツクイムシにやられていたのです。
この後、地域の平野さんと対話(p4c)することで、子どもたちは地域課題である松枯れ問題に立ち向かうことになります。
対話の様子をダイジェストでどうぞ。
問いは「学校の松林を守るために、私たちができることは?」です。
「まずは松を大切に扱うことでしょう」
「大切に育てるのが大事」
「行われている松枯れ防止対策を今の2倍、3倍にするのがいい」
「そのためには、いろいろな学年や地域の人に松の現状を伝えることが大事だと思う。松の魅力をみんなで話し合うとか」
平野さん「松枯れの現状はそれぞれの土地の持ち主は分かっている。今は生活スタイルが変わってきていて、松を使わなくてもよくなっている。地域の人は寂しいと思っているが、松を守るためにはお金がかかるからね。お金をかけてまで松を守ろうという人は少ないんじゃないかな」
「なんで松を残すのか。その理由を明確にしていく必要があるよね」
「友だちと話したりして、松枯れの現状への理解を少しずつ広めていったらいい」
「そうだね。様々な人に分かってもらえば、ボランティアも増えるかも」
教師「平野さん、予防接種するにはどれくらいお金がかかるんですか?」
平野さん「そうだね、一本5,000~6,000円くらいかな。学校の松林全体だと500万円とか1,000万円くらいしちゃうかもね」
「えええー!そりゃあダメだ」
理想論に終始するのではない、現実の厳しさを知った子どもたち。
平野さん「地域全体だと大変だから、まずは学校の松林に絞って考えたらいいと思うよ。伐採した枯れた松の再利用を考えてもいい」
「肥料にしたらいいじゃない?」
「ああ。枯れた松を材料にして椅子や机を作ったら?」
「ドアのネームプレートもいいんじゃない?ドアのプレートだったら、人がそんなに触れるわけじゃないから、燻蒸したものでも大丈夫なんじゃない?」
「アート作品を作るとか」
「可愛い看板を作ったり」
「松林を守るって話に戻るんだけど、新しい苗を植えたらいいと思う。みんなで植えるの。植えたらその後の対策を考える」
「新しく苗を植えるなら、マツクイムシに強い松の苗がいいよ」
「どうして?」
「だって、強くないと、またマツクイムシにやられちゃうよ」
「なるほど。そうだね」
「さっき平野さんがマツクイムシに強いのは、にいがた千年松だっておっしゃってたよ」
「平野さん、にいがた千年松の苗はいくらぐらいなんですか?」
「そうだね。一本400円ぐらいじゃないかな?」
「おおー。それなら、いけそうだね」
平野さん「マツクイムシはカナダとかから輸入された木材から日本に持ち込まれたとも言われている。マツクイムシをすべてなくすのは難しいよ」
「やっぱりみんなに松枯れについて知ってもらう必要がありそう。イベントとかやって周知したら?」
教師「枯れた松は教育委員会が伐採してくれました。今その枯れた松の場所は空いているよ」
「じゃあ、空いているところに松の苗や花を植えたらいい」
「カラフルになっていいかもね。ほかの学年に水遣りとかの当番に入ってもらう」
「あと、植えるときには地域の方々にも来てもらう。そうすれば松枯れの現状を理解してもらうきっかけにもなるし」
「松林はマラソンコースにあるでしょう。もっとマラソンコースを使ってもらうようにしたら、松枯れに気付く人も多くなると思う」
「そもそもなんで松にこだわるのか、みんなで考えたい。ほかの木じゃダメなのかなあ」
様々な意見が出たところで、そろそろ時間となりました。
教師「たくさん意見が出たね。多く出た意見をまとめるとこんな感じかな?まず、松枯れを完全に防ぐことは難しそう。お金もたくさんかかる。でも新しく苗を植える、それも松くい虫に強いにいがた千年松。これなら大丈夫。それと、松枯れについて広くみんなに知ってもらったらいいという意見も出たね。じゃあ、新聞社にお願いして私たちの活動を取材してもらったらどうかな?」
地域の課題を、地域の方々と一緒に対話して解決策を考え、地域の方々と一緒に解決のために活動する。
「地域とともに歩む学校」という理念を体現する活動になっていますね。
「子どもがつくる学び 子どもがつくる学校」をさらに超えて、「子どもと大人が一緒につくる地域」といってもいい教育活動になりそうです。
平野さん、素晴らしい対話をありがとうございました!