6月26日【4年算数】課題設定の妙が、課題設定力を育てる

4年生は6時間目も算数。本日2回目の算数だそうで、ダブルヘッダーですね。
それでも4年生はだらけるどころか、意欲満々な雰囲気が4年教室を満たしています。
そんな雰囲気に吸い込まれるようにして私も4年教室へ。
教科書を開くと、一頁まるまる漫画が描かれていました。
教科書会社は、この漫画で子どもたちの課題意識を高めようという作戦なのでしょう。
担任はこれをうまく利用し、代表の子ども2人にそれぞれ役割を与えて音読するよう促します。子どもはニコニコ笑顔で音読を聞いています。
和気あいあいとした中で落ち着いて学習を進めている4年生。楽しくても羽目を外しすぎるということがありません。さすが!


さて、教科書をめくると、架空の保健室の来室者と負ってしまった怪我の記録が掲載されていました。
今度は過去に自分が学校で負ってしまった怪我について、子ども同士で自分の経験などを語り合っています。
担任が「みんなこの記録を見てどう?」と初めての問い掛け。子どもたちは口々に「擦り傷が多いようです」「切り傷も多いかも」などと話しています。
ジーッと記録を見つめる4年生の姿を見て、担任はさらに問い掛けました。
「ねえ、みんな。この記録、ちょっと見にくくない?」。
これを受けて子どもたちは「うん、そうだね」「確かに分かりづらいかも」などと返しました。
ここで担任が「もっと分かりやすくできないかな?」ととどめの一撃。子どもたちは「うん、できそう!棒グラフとかがいいかな?」「場所や怪我ごとにまとめたら?」「『正』の字で人数を数えたらいい」などと応じました。
ここまで引っ張りに引っ張って、貯めに貯めてから担任は課題を次のように板書しました。「怪我をした人の記録をもっと分かりやすくしよう」。
4年生はこの時間に考えること、学ぶことを十分に理解し、さらに意欲的に課題に取り組んでいました。


授業はその時々の課題によって、インパクトのある課題をズバッと教師が提示する方法もあれば、この時間のようにじっくりじっくり子どもの課題意識を高めながら課題設定を行う方法もあるでしょう。
そして、このような指導を意図的に重ねていく中で、課題設定力は育成されるのだと思います。