12月13日【2年学級活動p4c】対話の主導権は子どもに
2年生はこの日、ノンジャンルでp4cをしました。
ジャンルを問わず、自由に話し合いたい問いを各自が出し合って、その中から問いを決めるのですが、素晴らしい問いが揃いました。いくつかご紹介します。
・何で家族を愛するのか?
・なぜプレゼントがあると喜ぶのか?
・なぜいじめは起こるのか?いじめている人といじめられている人の気持ちは?
・海洋ゴミ問題は解決できるのか?
・なぜ戦争が起きるのか?(同様の戦争に関する問いは4つ)
・なんで世の中に怖い人がいるのか?
読むだけで感動する問いもありますね。子どもたちは社会に関心があり、大人をよく見ているのだと思わせられます。
これらの素晴らしい問いの中で、選ばれた問いは!
じゃーん!「サンタさんは、なぜみんなにプレゼントを渡すのか?」でーす!!おおおおおー!ははははは。やっぱりクリスマスも近いしね。
ということで、今日はこれで行きましょう、これでね。
ところが皆さん、聞いください!やってみたら、このp4c、とってもよかったのです。
今までの2年生は、初めに提示された問いについてのみ意見をバンバン出していって、どんどん広がっていく一方の対話だったのですが、この日は一つの発言が起点となって、その都度生じた問いを全員で考え合うことが何回もあったp4cになったのです。それも子どもたちが主体となって!2年生のポテンシャルの高さを感じました。いやー、びっくり!
前置きはこれくらいにして、対話の様子を見ていきましょう。
「私はサンタさんはどうして子どもたちにプレゼントをするのか不思議だったからこの問いを出しました。この問いについてみんなで話し合いたいです」
「それはさあ、子どもたちに喜んでもらいたいからじゃないの?」
「多分、子どもたちがいい子にしていたから、がんばったから、ご褒美なんだよ」
「それもあるけど、クリスマスって大事な日だから、子どもたちにプレゼントをあげたくなっちゃうんだよ、きっと」
「で、子どもたちにプレゼントをあげると、みんな喜ぶでしょう。それを見て、サンタさんも嬉しくなるんだと思うよ」
「ねえ、みんなに訊きたいんだけど、子どもたちはがんばらないとプレゼントをもらえないの?」
ええええええー!ご褒美に値しない行いの子はどうなるのでしょう?子どもたちの表情に緊張が走ります。ごくり・・・。
「そうだね。がんばらないと、逆にサンタさんにプレゼントしなくちゃならないのかも。プレゼントじゃなくても物を取られちゃうとか。どうしよう」
この発言の意味を、子どもたちが理解していくにしたがって、じわじわと重たーい雰囲気が教室を覆っていきます。
「・・・サンタさんは優しいから、悪いことをしちゃっても、プレゼントくれるよ・・・と思う」
「ねえ、どうして毎年がんばらなくちゃならないの?」
「サンタさんはいい子にしかプレゼントあげないってことにしてるんだよ。そういうきまり」
校長「サンタさんはどうしていい子にしかプレゼンをあげないんだろう?あ、そうやって、世界中にいい子を増やそうとしてるの?」
「ああ、そうそう。世界中がいい子ばっかりになるように、サンタさんはプレゼントを配ってるんだ」
「やっぱり、悪い子のところには来ないのかあ」
ここで新たな問いが出されます。2年生すごい!なんか君たち、覚醒したねえ。
「ねえ、クリスマスのプレゼントって、大人ももらえるの?」
「うん。多分もらえると思うよ」
「大人はもらえないんだよ。だってお父さんもお母さんももらってないもの」
「えー、そうなの!?」
「大人はがんばってるけど、サンタさんに欲しいもの頼んでないもの」
「ああ、そうか」
「私は大人でもプレゼントもらえると思うよ」
「私はもらえないんじゃないかなって思う。ほしいものを手紙とかに書いてないもの」
「そう言えば、大人が手紙書いてるとこ、見たいことない」
「なんで大人はもらえないの?」
「サンタさんが子どもにだけプレゼントあげるのは、未来を変える力が子どもたちにはあるからだと思うよ」
おおおおおーっと!これは!君たちは自らその役割を引き受けるというのか。すごーい!自覚あるねえ、素晴らしい!
「さっきの話なんだけど、大人もプレゼントもらえると思うよ」
「校長先生はプレゼントもらえるの?」
ははははは。これはものすごい質問だなあ。
校長「私はプレゼントもらえるかは分からないけれど、私はプレゼント用意してるよ」
「校長先生もいい子にしてたの?」
「そりゃあ、そうだよ」
校長「大人がね、プレゼントをあげるのはご褒美というよりは愛してるからなんだと思うよ」
「愛してるから、プレゼントするんだ」
「で、校長先生は何かもらうの?」
校長「物と言うよりは、愛情だよね。私はそれが嬉しいなあ。愛し、愛されるって嬉しいことなんだよ」
「愛されるから、愛し返すってこと?」
「ねえ、みんな。サンタさんって嫌いな人にもプレゼントすると思う?」
「分からないけれど、がんばってる人にはプレゼントするんじゃないかなあ」
もうね、時間が全く足りません!!!!!!
子どもたち、まだまだ話し足りなーいって様子がひしひしと。
それにしても、2年生。前回までのp4cでは完全に教師のコントロール下での対話でしたが、対話中の主導権も完全に掌握するようになりつつありますね。
恐るべし、2年生!
なんかあったか~~い気持ちになりました。クリスマスには、花買って帰ろうっと。