2024年11月の記事一覧
11月25日【3年道徳ほぼp4c】まるちゃんとたまちゃん
3年生は道徳の勉強中。教材はちびまる子ちゃんのまるちゃんとたまちゃんのエピソードを基に作成されているものです。
こんなあらすじです。
タイムカプセルを作った2人は翌日に埋めようと約束します。まるちゃんは約束の時刻にずっと待っていたのですが、いつまでたってもたまちゃんは現れませんでした。翌日学校で会い、たまちゃんから理由を聞くのですが、まるちゃんは許せません。しかし、まるちゃんもその後、たまちゃんと似たような体験をして、たまちゃんの気持ちをおもんばかることができるようになりました。誤解が解けた二人は涙を流しながら、互いを好きであることを再確認したのでした。
話し合いでは、問いを子どもたちが設定し、3年生は席に着いたまま、黒板の方を向いています。しかし、発言権はコミュニティ・ボールを持っている子にあり、周囲の子は発言している子の方をしっかり向いて聞いています。円座になってはいませんが、こりゃあ確かにp4cですね。
さて、問いは「なんでまるちゃんはケンカしたのに、捨てたタイムカプセルを泣きながら探したの?」です。
かなり大雑把なダイジェストで対話をご覧ください。
「まるちゃんにとって、たまちゃんは大切な友だち。ケンカしても、まるちゃんは『自分が悪かった』って気付いたからまた仲直りしたいと思ったんだよ。でもタイムカプセルは捨てちゃったから、泣きながら探した」
「そうだね。まるちゃんは、自分も同じような体験をして、たまちゃんの気持ちが分かったんだよ」
「うん。それはまるちゃんだけじゃなくて、たまちゃんもきっとそうだったんだね」
「二人とも、互いの気持ちが分かった」
「始めはまるちゃんは怒っていた。でも時間がたって、同じような体験もして、で、冷静になって、申し訳ないなと思った」
「だから悪かったと思って泣いたんだと思う」
教師「そもそも何で二人はタイムカプセルを埋めようとしたんだろう?」
「タイムカプセルって、仲のいい人と一緒に作ったり埋めたりするでしょう。ずっと友達だよって気持ちだったんだと思う」
「もともとまるちゃんとたまちゃんは仲良しだった」
「だからまた仲良くしたいって思った。自分も悪かったから、タイムカプセルを探しに行ってもう一度一緒に埋めようって」
「仲直りしたかった。でも見つからなくて泣いたんだ」
「まるちゃんは『悪かったな。たまちゃんにごめんなさい』って気持ち」
教師「タイムカプセルを探しているときに、まるちゃんは泣いたよね。その後、たまちゃんと仲直りして、今度は二人で泣いた。この2つの涙は同じ気持ちからなの?違う気持ちからなの?」
「探してる時の涙は、悪かったな。でも一緒に泣いたときの涙は嬉しい涙」
「仲直りできてうれしい」
「これからも仲良くしようねみたいな」
「ずっと友達だよって」
教師「みんなは友だちと分かり合って嬉しいという気持ちの涙って流したことある?」
この後、子どもたちの体験談がぽつぽつとではありますが、語られていきました。まあ、多分まだあまり経験ないんだろうねえ。でも私はあるよ!そんなことを彼らに話しました。
ねえ、3年生のみんな。
きっと君たちはこれから先、友だちと泣いたり笑ったりしながら、親友とかかけがえのない友だちとかをつくっていくんだろうねえ。
そういう大切な友だちは、人生を豊かにしてくれるような気がします。
人とのかかわりあいを大切にしながら、生きていってほしいなあ。
私の願いです。
11月25日【6年学級活動p4c】松の子まつりの振り返り
先週実施され大盛況のうちに幕を閉じた「松の子まつり」。この日6年生はp4cで振り返ります。
対話を始める前に、教師がこの児童会活動のねらいを改めて確認しました。企画運営力の向上と他を思いやる心の醸成です。
今回のp4cで決められた問いは、「松の子まつり、大変でしたね。大変だったことは何ですか?」です。6年生はどんなことを話すのでしょうか。
「松の子まつりはねらいが簡単に達成できるものではありませんでした。みんなそれぞれ大変だったと思う。みんはは、どんなことが大変だったのかなあと思ってこの問いにしました」
「私は時間を守ることが大変でした。自分はいいんだけど、他の学年の子たちにも時間厳守してもらわないとならないけど、なかなかいうこと聞いてくれなくて・・・」
「あと、ブースを班ごとに回るときに、低学年の希望を聞きながら回るんだけど、それぞれ行きたいところがバラバラで、うまくまとめるのが大変だったなあ」
「やっぱり、1~3年生がなかなか言うことを聞いてくれなくて、で、みんなバラバラに動くから収集がつかなくて大変だったなあ」
「ぼくの班は、ボール拾いするべき時なのに、みんないつまでも遊んでてなあ」
「私、『はこの中身は何だろな?』だったんだけど、みんなで協力してやらなくてはならないから、役割分担したんだけど、本当は自分だけでやった方が早いんだよね。でも敢えてみんなに仕事を割り振ったの」
「ああ。めっちゃ分かる!ボール投げのボードを3つ用意しなくちゃならなかったんだけど、〇年生がよく分かってなくて、2つしか用意しないんだよね。大変だった。どう伝えればよかったんだろう。どう伝えればわかってもらえたんだろうって、今でも考えてる」
「みんなで協力するのが松の子まつりでしょう。だから、自分一人でやればそっちの方が早いかもしれないけど、それじゃあ、他の学年の子はいい経験にならない。私たちみんなのブースなんだし」
「みんなに訊きたいんだけど、大変だったのに、どうして楽しかったんだと思う?」
うおおおおおおおー!こ、これは早くも深める発言炸裂です!この論法は、教師が運動会とかの振り返りp4cで使った論法です。対話は話し言葉なんだけど、消えてなくなるわけじゃない。彼らの身体の中にしっかりと残っているんですねえ。感無量。嬉しいです。
「確かに自分は大変だった。でも班のみんなが楽しそうに活動してるのを見ると、なぜか嬉しくなっちゃってたんだよねえ」
「みんなはさあ、友だちが大変そうだったなあと思うブースとか場面とかある?」
「私はね、火星人来襲ゲームの班の人たち。低学年に教えるのが難しそうだったな。的が倒されたら、いちいち立て直さないとならなかったし、ダンボールの空気砲を扱い方の説明の時、何回も『強く叩きすぎて壊さないように』って言ってたから、壊しちゃう子もいたんだろうなあって思った」
「ボール投げゲームの班。投げた後にブースの担当者がボールを拾わなきゃならないでしょう。ボールが集まらないと次のお客さんを入れられないし。低学年の子がお客さんだったりすると、並ばせたり整理したりしなくちゃならなかったしね」
「私のブースはお客さんの回転効率が悪くて、次のお客さんにずいぶん待ってもらわなくちゃならなくて申し訳なかった。何か工夫すればよかったなあって思う」
「箱の中身は何だろなは、お客さんの楽しかったと思うけど、例えば箱の中に入れて何か当ててもらうクレーンゲームのアームを、〇年生が隠そうともしないで堂々とお客さんの前でダンボールの中に入れていた。『あーあ、ばれちゃうよ』って思ってさあ、6年生は大変そうだなあって思ったよ」
「確かに、答えの品物がたくさんあったから、準備も大変だったろうなあ」
「私、怖い話のブースやったんだけど。用意してた怖い話が長くてね。怖い話の後はクイズ出して、で、その後に鍵探しもしてもらったんだ。だから、一班当たりの時間がすごくかかっちゃって。待ち時間も長くなっちゃった。途中から2班ずつ入ってもらうようにしたんだけどね」
「あとね。モグラたたきが大変そうだったよ」
「ああ、そうそう。あれは大変そうだった。ペットボトルをモグラに見立てて、出したり引っ込めたりしてたけど、ダンボール製の棒がペットボトル以外のところに当たったりしたこともあったんじゃないかなあって思って。体だったらガーンって当たって痛かったかも。で『強く叩かないでください』って何回も説明の時に言ってたもんねえ」
「なんかさあ、ダーツできなくなっちゃってとき、なかった?大変そうだった」
「どの班も、お客さんが楽しめるよう、低学年の子が苦労しないように考えて、様々な工夫をしていたよね」
「準備しなくちゃならない時に、遊んでて準備してくれない子もいたなあ」
今回のp4c、私の出番はほぼ皆無。最後にちょっとだけ介入しちゃいました。
「ねえ、みんな。今回の松の子まつりって、結局どうだった?」
子どもたちはじっくり振り返りながら考えていました。そして、あるお子さんの発言でこのp4cは大団円となりました。
「結局、松の子まつりでは、それぞれの子が、それぞれの子なりに、みんなで協力してやれた。だから、仲を深めることができたんじゃないかな。友情って言っていいのか、でも友情が育まれたって言う感じだよね」
上記に書ききれなかった発言の中に、「苦労したし、大変だったけど、最高の松の子まつりになりました」って言ったお子さんがいました。
それぞれのお子さんが、大きな学びを遂げたんじゃないかしら。
6年生、お疲れ様!
そして、企画運営を指導した我らが教職員集団のみんな、お疲れ様でした。
大変だったけど、とってもいい松の子まつりでしたね、教職員にとっても。
11月22日【3年総合的な学習の時間】にんじんグラッセ
11月22日、5時間目。3年生は学級活動として調理実習。
にんじんグラッセを作っていました。ある子が家でにんじんグラッセを作ったと話したところ、他の子たちも作ってみたくなっちゃったというわけです。
切ったニンジンを鍋に入れ、しばらく煮込むときにバターを加えます。
鍋の中のにんじんをじっと見つめる3年生。「早く出来上がらないかなー」って顔に書いてありますよ。ほらほら、よだれ垂れそうになっちゃってるよ、なーんちゃって。バターのほかに指までくわえちゃってる感じですね。
もちろん出来上がりは最高!だった?私試食まで見届けることできなかったのです、とほほ。
今度食レポしてね、3年生のみんな。
11月22日【6年PTA】学年親子行事
11月22日に6年生はPTA学年親子行事を行いました。
何をしたのかというと、まずは手形アート。掌に絵の具を付けて、スタンプのように画用紙に押します。そこからインスピレーションを得て、芸術作品に仕上げます。
素敵なアート作品が出来上がりました。
その後はバトミントン大会。親子でペアを組み、ダブルスで勝負です。
盛りだくさんの6年生の親子行事でした。より一層親子の絆は深まったようですね。
11月22日【全校児童会活動】松の子まつり
前々から子どもたちは準備を重ねてきたのですよ、この日のために。
そうです、松の子まつり。児童会主催の一大イベントです。
2つの縦割り班がペアを組み、一緒に遊びのブースを運営します。
5・6年生が中心になりながらも、1~4年生も一人前の働き手としてブース運営に携わります。
どんなブースが立ったのでしょうか。
1・2班「箱の中身はなんだろな」
3・4班「火星人襲来ゲーム」
5・6班「怖い話」
7・8班「お手玉ゲーム」
9・10班「玉入れゲーム」
11・12班「ダーツ eleven twelve(イレブン トゥエルブ)」
13・14班「モグラたたき」
15・16班「ボール投げ大会」
児童玄関にまとめて掲示された店の看板(ポスター?)を見ると、なんとも楽しそう。
私も実際にやらせてもらうと、やっぱりとっても楽しいゲームばかりでした。
どんなゲームだったのか、お子さんに訊いてみてくださいね。
ブースに行ってゲームをした子どもたちはもちろんのこと、ブースを運営した子どもたちも大いに楽しんだ松の子まつり。
そしてこの楽しい活動で、子どもたちが獲得したものは大きかったのじゃないかしら。
来週あたり、この振り返りをする学年もあると思います。
11月21日【5年PTA親子行事】いじめに関する講演
PTA5学年親子行事は、講演会。なんと上越教育大学いじめ・生徒指導研究研修センター長の教授 高橋 知己様からお出でいただいたのです。これはビックネームですねえ。昨日までは青森、明日は東京という引っ張りだこの先生です。この超御多忙の中、隙間を縫って当校5年生の親活動のためにお出でいただいたのですから、テンション爆上がりです!
で、結論から申し挙げると、これが期待に違わないものすごいご講演でした。まさにキョーレツーって感じで、言葉にならないほどの衝撃でした。
詳しい話は省略しますが、この話を聞いたらいじめなんて絶対にしてはならないって、誰でも思いますよ、そりゃあ。
これ、学校職員でも共有して、明日からまた子どもたちの健やかな成長のためにがんばります。
この講演会を企画してくださったPTA役員の皆様方、ありがとうございました。
そして高橋知己先生、本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。
11月21日【2年道徳p4c】勇気と努力と仲間の力
2年生はすごーく久しぶりのp4cとなります。
1学期にやった時には、自分の意見を言いたい気持ちが強すぎて、発言したことで満足していたよねえ、君たち。で、友だちの発言をよく聞こうって気持ちにならなかった子もいたじゃない。あれから、数か月。君たちがどれほど成長したのか、ものすごく楽しみにしてるんだ、私。
みたいなことを考えながら、コミュニティ・ボールをもって2年教室に入ると、みんな瞳がキラキラしています。楽しみだったんだねえ。瞳はダイヤモンドになってるもんね。
さて道徳。教材のあらすじは「丸くなる練習に飽きてしまっただんごむしのまるちゃん。風に飛ばされた葉っぱにしがみついていたまるちゃんは、冒険をしながら、赤とんぼにアドバイスをもらったりして、いつの間にか上手に丸くなることができるようになっていました。」というものです。
子どもたちが設定した問いは、「まるちゃんはどうして丸くなれたのかな?」です。
今日もバンバン発言が出るのかな?
「赤とんぼがアドバイスしてくれたからだよ」
「それと、葉っぱが地面に落ちた時に、まるちゃんも一緒に落ちたんだけど、その時の衝撃で丸くなれるようになったんじゃないかな」
「まるちゃんが葉っぱに乗って風に吹かれているときに、体力をためたからできるようになったんだよ」
「そうそう。楽な姿勢で葉っぱに乗っていたから、リラックスできたんだ、きっと」
「そういうのもあったと思う。私はやっぱり、あきらめないで練習を頑張っていたからできたんだと思うな」
「うん、いっぱい練習したから」
「ねえ、最初まるちゃんは止まっているところで、形だけ丸くなろうとしていたでしょう。でも葉っぱが地面に落ちるときにまるちゃんが丸くなれたのは、形だけじゃなくて動きも取り入れたから、うまく丸くなれたんだと思うな」
「形だけじゃなくて、動きも練習したからだね」
「私は、まるちゃんが怖い目に遭いながらも、勇気をもってやっていたからだと思います」
教科書の叙述から、うまく丸くなれた原因についての発言があらかた終わった後で、担任が問い掛けました。
「ねえ、赤とんぼのアドバイスもあってうまく丸くなれたんだとすると、もし赤とんぼがいなかったら、まるちゃんは丸くなれたと思う?」
おおー!さすが担任。いいとこ突きますね。これはこの教材に内包されている「勇気」「努力」といった様々な道徳的価値の中で、「仲間の力」「信頼」に焦点化し、子どもたちにさらに深く考えることを促す発問ですね。
子どもたちは担任の言葉に敏感に反応し、自分の考えをどんどん発表していきます。
とにかく発言意欲が旺盛です。
「私は赤とんぼがいなくても、自信をもってできたと思う」
「私は、う~ん・・・、うまくできなくて、そのままどこかに行っちゃったかもしれないと・・・」
「そうかも。赤とんぼに励まされなかったら、まるちゃんは勇気が出なかったかもね」
「私はね、まるちゃんは赤とんぼがいなくても、『大丈夫かなあ。でも信じよう』ってがんばって練習したと思うよ」
「うん、きっとそうだよね」
この後、子どもたちの発言のキーワードとなる点を確認して、まるちゃんが丸くなれた理由をまとめました。
それにしても、2年生諸君!1学期から大きく成長したねえ!友だちの話を食い入るように見つめながら聴いていたじゃない!
まだ7、8歳の2年生でもここまで対話できるようになったんだねえ。感慨無量。
このp4cでは途中で問いが変わったよね。1学期だったら、対話をよく聞いていなかったから、新しい問いなんてそっちのけで最初の問いについて発言し続けた子が多かったよねえ。でも今回君たちは、新しい問いにしっかり対応しながら対話を作っていったよね。ホント素晴らしいと思うよ。
発言意欲旺盛なだけじゃない、聴く力も以前とは比べものにならないくらい身に付けた2年生のみんな!これまで重ねてきた学びがしっかりと身体に残っている証拠だね。
お見事!また、みんなとp4cしたいなあ。
11月21日【6年学級活動p4c】人はなぜ無駄なことをするのか?
6年生は学級活動でp4c。
最近は多くの学年でバンバンp4cやるようになっていて、平均すると毎日どこかの教室で必ずp4cやってるってくらいの計算になりそうですね。
6年生のこの日の問いは「人はなぜ無駄なことをするのか?」。かー、身につまされますねえ。とりあえず、先に謝っておいちゃおう。どうもすみませんです、はい。
問いを出した子の発言からスタートです。
「もっと効率的なやり方があるのに、非効率的なやり方でやってることがある。どうしてかなと思って」
「ねえ、『無駄』ってどういうこと?」出たー!いきなりクリティカル・シンキング。そもそも を問うってのは、深い考えに行きつくためには有効な手段です。さすが6年生!
「無駄って、言わなくていいことを言ったり、近道があるのにわざわざ遠回りしたりってこと」
「どうして近道を行かないことがあるんだろう?」
「近道は楽しくないから?遠回りすると、なんだかわくわくすることも」
「そうだね。遠回りしても、何か発見すれば、無駄にはならない」
「うん。何か発見すればね」
ここで私も発言。「何か発見してさ、それがものすごくくだらないものだったとしても、無駄にはならないの?」
「そうです。いくらくだらない発見だったとしても、発見は発見だから」
「私もそう思う。発見は発見」
「そうだね。私も同じ意見」
「私も。近道してた時には気付かないことを、遠回りしたときに初めて気付くことができたなんて、素敵じゃない」
「その時はくだらないと思ったとしても、あとで調べたら、もしかしたら、ものすごい発見だったかもしれないしね」
「そうだね」
「たとえくだらないと思っても、どんなものでも、自分が発見したのだから素直に喜べばいいんだよ」
「発見するってわくわくだよね。また、この道を通ったら発見できるかもしれないって、毎日またわくわくできる」
「何も見つからないって分かってるよりも、何か見つかったらいいことって思える。発見ってすごいことだと思うよ。そういうのって近道にはない楽しさだよね」
「うん。遠回りしたとしても、楽しさがある。新たなアイディアが生まれるかもよ」
「ぼくもそう思う。発見がなくてもいつもよりもたくさん歩いてるうちに、アイディアが生まれるかもしれない」
「私は遠回りしたらいいことがあるかもしれないと思うし、近道でもいいことあるかもって思う」
「遠回りでも近道でも、何かあるかもって物事をポジティブに捉えることができたらいいよね。近道したとしても、もっと近道があるかもって」
「必ず遠回り、必ず近道って決めておくんじゃなくて、『今日はこの道』って毎日違う道を行ったら面白だろうね」
「道の距離の問題だけじゃなくて、同じものでも、人によって、いいものもしょうもないものも違いがあると思う」
「そう。楽しさがある」
「遠回りの方が近道よりも安全なことが多いと思うよ。近道にはない楽しさがある。それは風景だったり。そう、好奇心!」
「好奇心の赴くままにってことかな。どちらの道を行っても無駄にはならないのかも」
楽しい対話が続きます。きっとこの対話も無駄じゃないはず。
「納豆って変な臭いって思う人いない?私も最初はそうだった。今は大好きだけど。納豆を最初に食べた人ってすごいなあって思う。すごい好奇心。すごくお腹がすいていたのかもしれないけれど」
「食べないで後悔するよりも、食べてまずーいって思う方がいいような」
「食べて見なきゃ、分からない。無駄なことってないのかも。たとえ食べたらまずかったとしても、これは食べちゃダメって一つの知識として蓄積される。どうなったら、どう使ったらいいかってのも一つの新たな知識になる」
「そういうことってある。いや逆にいい発見なんだよ。これは食べちゃダメとか買っちゃダメとかっていう発見は」
「フグって猛毒があるでしょう。でも今は毒さえ食べなければ、残りの部分はすごくおいしいって分かってる。最初はその毒を食べちゃった人もいたと思う。昔の人のそういう苦労が今に繋がってる。無駄を積み重ねていくことが成功になるんだ。・・・人間ってさ、冒険する生き物なんだ!」
おおおおおっと!ものすごい発言。まさに金言・格言ですね。確かサルトルも似たようなこと言ってたような気がする。「人間って冒険する生き物」かあ。私の辞書に書き加えておこうっと。
「似たような話を聞いたことある。日本ではウニって食べられないと昔は思われていた。でも食べたらおいしかった。そういう発見をした。ご飯にお茶漬けっていう定番も失敗しつつも様々に工夫することによって、さらにおいしくなる」
「そうだよ。生きていて無駄なことはない!無駄だと思わないっていう考え方が大事なんだと思うよ。要は考え方!」
あああああ、ありがとう!反省しきりの毎日ですが、この一言で、今夜はおいしい夕食になりそうです!
ところが、ここで発言がピタッと止まっちゃったのです。みんな言い尽くしちゃったのかな?
そこで私が介入。必殺技を炸裂させちゃおう!
「ねえ、誰かさらに深めて」
なんとー!「必殺子どもに対話のかじ取りを委ねる」の術!
すると・・・
「ねえ、好奇心って大事って議論になってるけど、どうしたら好奇心って湧くんだと思う?」
おおおおおおおおおー!これですよ、これ。子どもたちが対話を深めるべく、自分で新たな問いを提示したのです!
「好奇心ってどうしたら湧くかって言うと・・・、面白いもの、わくわくするもの、やってみたいってものを常に探している、あるいはそういうのを感じるアンテナをもち続けることかな?」
す、すごーい。6年生、深める問いにしっかりと対応しますねえ。素晴らしい思考力!
「例えば松の子まつりで私たちは企画したよね。運営する中で、『こうやったら楽しめるかな?』とか、全校が楽しめるように考えたんだけど、そういうことを考えていることが好奇心をもてるようになるんじゃないかな?『これどうかな?試しにやってみよう』って」
「そうそう。ぼくたちの班はボール投げゲームをするんだけど、ただボールを投げるだけじゃ面白くないから、的を作ったり、ボールの代わりにフリスビーにしたりとか、試行錯誤をした。こういう工夫をするってことが大事なんだと思う」
あああああー!具体的な事象を抽象化し、さらにそれらについて対話するなんて!お、恐るべし6年生!
以上、圧巻のp4c!6年生、さすが!素晴らしいの一言に尽きます。
今回の対話では、いくつの発言の中に「具体と抽象を往還させる」ような発言が見られました。これまでの彼らのp4cには、対話中に純粋に疑問に思ったことを全体に問いという形で示すことはあっても、対話を深めようという明確な意思のもと発せられた発言はあまり見られませんでした。さらに「好奇心」に関する一連のやり取りはこれまでの対話を一般化しする姿も見られました。このように考えを抽象と具体で往還させることは深い学びにつながると考えています。6年生がこれを意図的に行ったのですね。これは驚異の世界です!いやー、びっくり。前のp4cで、対話を深めようと考えながら発言することが大事と結論付けた6年生ですが、今回早速その意図のもと対話が行われているのです。はー、今夜はぐっすり眠れそうです!(ねえ、これらの発言をした君たち!『抽象と具体を往還させることが学びにつながる』って知ってたの?知らなかったのにこの発言できたんだとしたらホントびっくり。今度サインください!ははははは)
おかげで今夜はいい夢見られそうです。ありがとう6年生!翌日の松の子まつり、すんごく楽しみにしていまーす!
11月20日【子どもたちの自主的・自律的活動】怖い話大会
もう何回目になるのか、分からなくなっちゃいましたが、今度は3年生が「やりたいですっ」と声をあげてくれました、怖い話大会。彼らがポスターを作って、掲示して、自分たちで情報委員会の5・6年生と交渉して放送で周知までしたんですよー!。大人の力をほとんど借りずに。開催日時の決定のため、教務主任と日程調整までしたのです。すごいバイタリティです。
*放送のアナウンスはみんなで協力して行っていました。しゃべっている子の周りを取り囲むようにして応援しています。団結ですね、団結!
彼らが描いたポスターは怖いような、かわいいような、何のポスターか分からないような(「ウナギーヌ」ってフランスの女優さんみたいね)、それでいてとっても素敵に出来上がりました。
約1週間後の開催になったようです。今から楽しみだね。多くの子が来てくれるといいね。
子どもたちの自主的・自律的活動。「自立的」って言っちゃってもいいかもしれません。教育課程には組み込まれない活動ですが、企画運営する子どもたちにとっては、とっても楽しい活動になっているようです。以前にもホームページで触れましたが、「怖い話大会」に加えて、現在絶賛企画中の「人間まちがい探し」などの昼休みの子どもたちによる企画運営活動は、実は持続可能な社会の創り手としての意欲と力量を高めるための活動なのです。まあ、そんな仰々しいこと言わず、単純に楽しいから子どもたちはやってるんでしょうけどね。
さあ11月28日。参加してくれる子たちはどんな怖い話をしてくれるのか、今から楽しみです。私も一つ用意しておこうっと。
11月20日【3年理科】子どもの頃、よくやったなあ
3年生は理科で光の進み方について学んでいます。
日光を鏡に反射させるとどのように光は進むのかなど、子どもたちは楽しく学んでいます。
さらに、この日は虫眼鏡で日光を一か所に集中させる活動にも取り組みました。ああ、出たー!これ、子どもの頃よくやったよなあ。日光で紙を焦がしまくったものです。
指導担当教師が「試しにやってみます!」とお手本を見せ始めると、子どもたちは教師の手元を固唾をのんで見ています。やがて、光が集中している一点から煙が上がり出し、「おおおー!煙だー」と歓声が上がりました。
昔取った杵柄とばかりに私もやってみたのですが、加齢のせいか手が震えちゃったりしてうまくいきません。「う~ん、太陽の光が弱まってきたかなあ」などと大宇宙のせいにしましたが、子どもたちは私の言い訳なんて全く耳に入っていない様子。自分でもやってみたいとそわそわドキドキわくわくで師範実験している教師ににじり寄っていきます。虫眼鏡を手に今にも立ち上がらんばかり。ははははは。指導担当の教師のゴーサインで、3年生は一斉に活動を開始しました。
実際にやってみたり、実物を見たりすることができるのが、理科という教科が興味関心を引く一つの理由なのでしょう。
楽しみながら学ぶ理科。3年生、いい勉強を重ねていますね。