では、6年生の学級活動としての対話(p4c)を見ていきましょう。
問いは、対話を始める前に6年生一人一人が対話したい問いを出し合い、その中から一つ選びました。
選ばれたのは、「築地小学校には、本当に対話(p4c)が必要なのか?」です。ああああああー!しびれますねー!学校運営の基本方針の根幹にメスを入れるという、クリティカルシンキング爆発。まさに子どもがつくる学校。そういえば、去年の6年生も対話の是非について対話するという「メタ対話」の問いが出されたことを思い出しました。何回も対話(p4c)を積み重ねていると、この手の問いって出てくるのね。
では、対話を見ていきましょう。
なお、この対話(p4c)には川上教科専門監からも対話に加わっていただきました。
まずはこの問いを出したお子さんから。
「僕たちはよくp4cをやっているけど、本当にp4cは必要なのか、みんなと対話したいって思ったんです。みんなどう考えているのかなって」
「私は必要だと思います」
「p4cみたいに、クラス全員で話し合う場を作るのって難しいけど、p4cをするとなると自然と全員での対話になる。だからp4cは必要だと思います」
「p4cは自分たちで問いを作って、自分たちで対話して考えて解決していく。これって築地小学校が理想とする教育像『子どもがつくる学び 子どもがつくる学校』にするためにはいいと思います」
「互いを認め合い、考えて、みんなで話し合うのが好きです」
「p4cだと考えが深まるからいいと思います」
早速、6年生が自らp4cをファシリテートします。
「じゃあ、みんなに訊きたいんだけど、必要だと思う人は手を挙げて」
8人くらいの子が挙手。
ここで川上教科専門監が揺さぶります。
「私は対話はp4cじゃなくてもいいんじゃないかって思います。普通の話合いでもいいんじゃない?」
「う~ん。みんなの考えを認め合えるなら、p4cじゃなくてもいいかも」
「ぼくはp4cは必要だと思っていたんだけど、考えが変わりました。セーフティがあれば、ただの話合いでもいい」
子どもたちは川上専門監に揺さぶられ、考えがぐらぐらしてきました。
それの揺れを収めるべく教師も発言。「p4cの対話ってみんなが話し合いたい問いを作って、みんなが自分たちで解決する対話です。だから、私はp4cは必要だと思うよ」
子どもたちは大いに迷います。
「う~ん・・・。ぼくは考えを変えて、p4cであっても、ただの話合いであっても、『どっちでもいい』にする・・・」
「ぼくはやっぱりp4cはいいと思う。地域の人と話し合えるるし、自分たちで問題を見つけて、改善策っていうのかな、それをみんなで考えるっていい。対話の中で考えを深め合ったり、新たな問いを出したりするって大事だと思う」
「うん。みんなで考え、深めるのを、みんなでやる」
「対話の最初と今と考えが変わった人は?」
10人の子が挙手しました。「p4cじゃなくてもいいって考えも分かる」
「うん。賛成派と反対派に分かれて話し合うディベートでもいいんじゃない?」
「p4cもディベートも頭をよく使うしね、どっちでもいい」
「私はやっぱりp4cが必要だと思う。私は、p4cで考えを深めるのが好きだから」
「私たちはp4cで挨拶だとかいじめだとかについて対話してきたよね。よかったと思う」
教師「p4cでもディベートでも話合いでも、その時々でいいと思う方法で対話すればいい。p4cで対話するときに大切にすべきものって何だと思う?」
「う~ん。友達の話をしっかり聴こうとする思いやりとか、そうういうセーフティだと思う」
「p4cではセーフティが大事。話している人の方を向いて、静かに話を聴くのがいい」
「そうだね。自分とは意見が違っても、否定じゃなくてプラスの言葉で返すとかね」
川上教科専門監「話合いってそもそもなんだろうね。対話って何だろう?ディベートは?それぞれ全く違うもの?」
「p4cは一人一人が自分の考えを深めていく。決まった考えじゃない。思考の筋道は一直線じゃない。ディベートは2つに分かれて意見をたたかわせるもの」
「うん。ディベートは、対話が最初の問いからずれないように対話する。でもp4cは違う。ずれてもいい。どんどん考えを深めていく、問いを深めていくもの。問いや意見が広がっていくもの」
「セーフティが大事にされるもの」
おおおー!p4cの特性を端的に言うとこういう感じになるのかしら。
最期に川上教科専門監からお話をいただきました。
「今日は私を受け入れてくれてありがとう。初めて会う人が対話の輪に入ると、セーフティが崩れるような気がして、身構えちゃう人が多い。でも、みんなは違うね。初めての私もしっかりと対話に受け入れてくれた。嬉しかったし、そんな皆さんはすごく素敵な6年生だと思ったよ。対話の中では『p4cじゃなくてもいい』って話したんだけど、ホントは私p4c大好きなんだよね。皆さんも、これからもp4cのよさを感じて対話を重ねていってほしいと思います」
授業後、校長室で川上教科専門監と話した時にも、子どもたちのことをベタ褒めしてくださっていました。
対話の質の高さ、セーフティの高さ、そして、対話の中で自分の考えを創り出していく思考力。友だちの発言にしっかり耳を傾け、友だちの話から自分の考えを再構築していった彼ら。
何やかんや言っても、6年生、対話(p4c)のよさをしっかり感じていたんだね♡
私は一緒に対話していて、とっても鼻が高かったです。「大雅さん、どうです!これが築地の6年生ですっ」って。
最近の成長ぶりがすさまじいね、君たち。