9月12日【5年学級活動p4c】罪悪感と後悔

5年生は学級活動でp4c。

授業の冒頭に、担任がニュース映像を流します。高校生4人組が川に飛び降りようとしている女性を引き留め助けたという出来事です。
この動画を見て、子どもたちは様々な感想を交流しました。
「高校生が力を合わせて女性の命を救ったのはすごい」「勇気をもって自殺を思いとどまらせたのはすごい。冷静にプラスの言葉がけをしていたのがよかったのかなあと思う」などなど。
子どもたちはこの動画で感じたことと自分の今までの体験を振り返って、みんなで対話したいことを出し合いました。
そして、その中から選ばれた問いは次の問いでした。
「罪悪感とは何か?」
う、うわー!重っ。
私としては、「勇気を出すってどういうこと?」とか「どうしたら勇敢になれるの?」なんて問いになるのかななんて、おぼろげながら考えていたのですが、予想は全く、まっっっっっったく外れました。なはははは。まあ、こういうこともありますわな。
で、どんな対話になったのでしょうか。
結論から言えば、対話は2時間にも及び(途中で給食・昼休みを挟みました)、特に後半は子どもたちの体験を踏まえた発言がバンバン出されたのです。
後半の様子は記録していなかったため紹介できませんが、対話の一部分だけチラ見せ。

「罪悪感と後悔。『あの時何かしとけばよかった』と言うのが後悔」
「そうだね。『何かをしなかった』から抱く後悔もある」
「後悔って単純じゃなくて、複雑な気持ちだと思う。ぼくは、道路でぐたっとなっている猫を見つけたことがある。大丈夫かなと思って通り過ぎたんだけど、次の日その猫は死んでました」
一同し~ん。空気が重いです。
「後悔とは少し違って、罪悪感って秘密をもっているときに感じるもの」
「罪悪感って後悔に近いかも」
「ねえ、『複雑な気持ち』ってどういうことなの?」
「なんというか、心がモヤモヤするって感じかな」
「気持ちが整理できなくて、自分でも分からないってことなんでしょう」
「そう。イライラするとか悲しいとかって気持ちが混ざり合ってるっていうか」
「様々な気持ちが混ざって、言葉で表現できないんだよね」


「みんなは、罪悪感を感じた体験ってある?」
「私は妹のお菓子を勝手に食べちゃったことかな」
「ははははは。私も姉のお菓子を食べちゃったことある。罪悪感」
「バスケットボールの大会の時、もっと頑張れば勝てたかもしれないって思えて、罪悪感を感じた」
「じゃあ、あの時何かをしとけばよかったって後悔したことはある?」
「妹にもっと勉強を教えてあげていれば、もっとテストでいい点数取れたかもって思う」
ここで教師が発言。
「罪悪感と後悔って一緒なの?違うの?」
「う~ん。似てると思うけど。この2つの感情って友だちのようなもの」
「あの時やってればよかったっていうのが後悔で、やって失敗しちゃったっていうのが罪悪感、じゃないの?」
「やってればよかったってのが後悔、やったら失敗しちゃったっていうのが罪悪感?」

この後、後悔や罪悪感を感じた時のエピソードがどんどん出されていきました。
子どもたちは時に深刻な表情で、そして時に勇気をもって言葉を絞り出していきました。
結局、全員が語ったのじゃないかしら。
全員が、自分たちのp4cとしてこの対話をとらえ、主体的にさらによりよい学級を創っていこうという決意に繋がってくれたら嬉しいです。
子どもたちが学びのオーナーシップを発揮したこの時間。
2時間かけた甲斐があったこの対話は、今後にとって大変価値ある対話になりました。
5年生のみんな、これからもセーフティ溢れる学級を一緒に目指していこうね。

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