5月22日【4年p4c】エピソードで運動会を振り返る
4年生は宿題として記入してきたワークシートを手に運動会の振り返りp4cです。
問いは今回私が設定しました。
「私は運動会でどんな心を獲得したのか!?」です。おー!ずばり単刀直入に訊いちゃいましたね。
子どもたちは自分の運動会でのエピソードを語りながら、自分が獲得した心について対話します。
では対話の様子を見ていきましょう。
「応援では5・6年生がいつも引っ張っていてくれました。5・6年生が競技しているときの応援は4年生が5・6年生の真似をして応援を組織しました。そうしたら、4年生だけでも下級生をまとめることができました」
「綱引きでは、みんなで力を合わせて引っ張って、勝ったのでよかったです」
「徒競走では同じ組の人たちがみんな速い人たちばかりだったので負けそうだなって思っていました。でも全力で走ったらなんと1位を獲ることができました。よかったです」
「応援練習では大きな声を出せていなかったのですが、自分でもこれではダメだと思ったので、本番には大きな声で応援しました。すると、何か楽しくなっちゃってよかったです」
「私も応援の時、大きな声を出せたからよかったです。私が競技しているときに、みんなががんばって応援していてくれたから、今度は自分も一生懸命応援しようって思ったんです」
「綱引きの時、みんなで声を合わせて、力も合わせてがんばりました」
「〇〇さんが大きな声を出してみたらと言ってくれたので大きな声で応援したら先生に褒められたんです。それから今まで以上に大きな声出さなくっちゃって思うようになりました」
「私はみんなの競技する姿を見たり、応援してもらったりしたから、自分なりにがんばることができました。その時、自分でも思ってた以上に頑張ることができてびっくりしました」
「徒競走ではたくさん練習して1位を獲れたのでよかったです」
「前に言った人がいたんだけど、ぼくも5・6年生が競技しているときに4年生だけで応援することができてすごいなあと思いました」
「私はみんなががんばっていたから大きな声を出そうって思いました。そしたら大きな声を出すことができて嬉しかった。がんばればできるんだなあって思いました」
「さっきの話と同じなんだけれど、5・6年生が走っている時には4年生だけで応援団を組織して応援しました。それが楽しかったです」
「うん。4年生だけで応援団をリードするときには、その場で太鼓はだれが叩くかとか担当を決めたりして応援しました。みんながキビキビ動いててよかったです」
「私は5・6年生に下級生のまとめ方とか指導の仕方とかを教えてもらいました。今度は私が下の学年の子たちに教えたいです」
「綱引きでは負けちゃったけど、競技中はみんなで声を合わせて力を合わせてやっていて、それが心の支えになりました」
「ダンスは、練習の時はうまくいかなかったんです。でも5・6年生がお手本になってくれたからうまくできるようになっていきました。嬉しかったです」
「綱引きは力を合わせてやったら勝てて嬉しかったです」
「運動会で印象に残ったことは、全員で力を合わせてがんばったことです」
「ぼくも似ています。綱引きで勝てたのは、みんなで力を合わせたからだと思います」
「応援合戦では声を合わせてやりました。ダンスではうまくいかなかいなあって思ってたんだけど、上手だって言われて自分でもびっくりしました」
「練習では大きい声を出せなかったんだけど、運動会当日には大きな声を出せました」
「運動会の開会式で、校長先生が不思議な気持ちになるっておっしゃってたから、競技しながら『不思議な気持ちってどんな気持ちなんだろう』ってずっと思っていました。結局負けちゃったんだけど、全力でやったから、楽しかったんです。その時に楽しいのは勝ち負けは関係ないんだなあと思いました」
「応援合戦の時、声を枯らしていた6年生がいて、すごいなあって思いました」
「80m走では2位を獲れました。運動会全体でも2冠が獲れていい気持ちです」
教師「運動会ではみんなが楽しかったり、嬉しかったり、いい気持になったりしたみたいね。それは2冠とも赤組に取られちゃった白組の人たちも同じなの?だって負けちゃったんだよ」
白組の子「負けたけど、でも楽しかったです。がんばったからかな」
白組の子「勝てたら嬉しいだろうけど、負けても嬉しいって気持ちは変わらないかな」
教師「嬉しいとか楽しいってどういうときに感じるんだと思う?」
「白組もがんばってたから、嬉しかったし楽しかったんだと思います」
「全力で競技したり、応援したりした時かな」
「あと、力を合わせてやった時」
「精一杯やった時」
「やっぱりがんばった時だと思う」
「私もそう思う。一生懸命がんばればがんばるほど、その分負けた時は悔しくなるんだろうけど・・・」
教師「じゃあさ、がんばればその分負けた時に余計悔しくなるなら、最初からがんばらない方がいいんじゃないの。がんばらないから練習とかもつらくないし、簡単に負けちゃうかもしれないけれど、負けても悔しくなければいいんじゃない?」
子どもたちはそうじゃないって顔して、私を見ています。
もう残り時間もわずかなので、ちょっと強引なのですが次を最後の問い掛けにしました。
教師「ねえ、みんな、負けたら悔しいけれど、それでも全力を出すって子はどれくらいいるのかな?」
すると、全員が挙手!
これを見届けて、このp4cは幕としました。
体験活動中の自分自身を振り返り、体験が内包する道徳的価値を自分との関係として改めてとらえたこの時間。
頭の中でぼんやりとしていた道徳的価値を、仲間と協働的に対話することによって、より確かなものにすることができたのではないでしょうか。
それにしても、運動会で自分のエピソードを語りたい子が多く、それを深める時間は必ずしも十分ではありませんでしたが、子どもたちは友だちの話を聞くことを楽しんでいました。
p4cが終わると自然と拍手が沸き起こりました。
さらにその後、数人のお子さんが私のところに来て、「校長先生、p4c、とっても楽しかったです」と感想を言ってくれました。
仲間と対話することを楽しむ子、仲間と協働的に学ぶことに意欲的になっていた4年生。
なんかいい感じ。これからバンバンといい学びを重ねることができそうです。
とってもよかったねえ、4年生のみんな。