4月30日【6年理科p4c】ものの燃え方

この日、6年生は早くも2回目のp4c。教科は理科です。
発言数は必ずしも多くはないのですが、じっくり考え、新たな気付きが多くある6年生のp4c。今回は「ものの燃え方」についての対話です。

まず始めに教師が子どもたちの前で実験。集気びんの中で燃え続けるろうそくの炎ですが、ふたをするとあら不思議。炎はやがて消えてしまいました。これを見た子どもたちが立てた問いは次のものでした。
 A どうして、ふたをすると火は消えたのか?
 B 火が点いたり消えたりする条件は何か?
 C 瓶に穴を開けたらどうなるか?
 D 火を燃え続けさせるにはどうしたらいいか?
 E 火が燃えるのは、呼吸と同じなのか?

このEの発言が出ると、一同「???」です。火が燃えることと、人間が呼吸することと関係あるの?って顔しています。しかし、子どもたちは「そういう考え方もあるのね」っていったん受け入れていました。う~ん、素晴らしい!

この中で対話したい問いとして子どもたちに選ばれたのはCでした。そこで、早速p4cに突入!しないのですな、これが。実は私、子どもたちの考えを先読みして、空気の出入りを自由にした、底のない集気びんを用意していたのです。私の予想的中ですな、なーはははは。
で、これで同じように実験してみると、今度はいつまでも火は燃え続けています。
これを確認した後に、漸くp4cに突入です!
問いはBの「火が点いたり消えたりする条件は何か?」です。さすが6年生。科学的思考ばっちりの問いですね、素晴らしい!

では、大まかな対話の流れを見ていきましょう。
問いを出したお子さんが発言します。「火が燃えるには空気が必要でしょう?」
この発言を受けて、他の6年生は「もう答え出ちゃったなあ」って顔しています。これ以上対話する必要ないんじゃないの?って感じです。
しばらくし~んとしているので、私が問いかけます。
「火が消えた後の瓶の中には、空気がなくなっているの?」
「瓶の中には空気はある。でも、それは古い空気なの」
「古い空気?」
「空気の中でも『酸素』っていうのが必要なのです。火が燃えるためにはこの『酸素』が必要」
「火が消えた後、瓶の中には『ただの空気』しかない。だから消えた」
「ただの空気?」
少しずつ少しずつ発言が出るようになっていきました。
「人間は呼吸するでしょう?人間が呼吸した後は酸素がなくなっている。それと同じなの」
この段階で問いの候補Eに辿り着いたのです。
続きを見てみましょう。
「火が消えた後に、何か火を消すようなものが出てるんじゃないかな?」
おっ!
「そう、それ二酸化炭素っていうんだよ。二酸化炭素が瓶の中で多くなった」
「木はその二酸化炭素を吸って酸素を出しているって聞いたことがある」
と、ここでタイムアップ。もっと時間があれば、もっと面白くなっていったのになあと思います。
さて、対話では自分が確信を持てていない考えや授業でまた学んでいない知識もどんどん出されていきました。確信が持てない考え、その場でたまたま思いついた考えを積み上げていき、さらに自分が今まで見聞きした知識を組み合わせる中で、子どもたちは新しい考えを作り出すことができるのだろうと思います。練り上げとでもいえばいいのでしょうか。
今後この単元あるいは対話の中で出された知識について学ぶ単元で学習していく過程で、理解を深めるとともに、今日の段階ではあいまいとしていたことが、突然腑に落ちたり、「ああー、そういえばあの時・・・」と思える伏線になるのかもしれませんね。
p4cは「探求の対話」とも言われます。
子どもたちが今後学び、真理を探究することにつながるp4cとなりました。

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