2024年11月の記事一覧

11月8日【1年道徳p4c】空はどうして美しいのか?

ついに出ました、1年生のp4c!待ってましたー!
1年生は過去に1、2回体験しただけだったので、今回久しぶりのp4cの授業ということになります。
教科は道徳。『あめが あがって…』という教材で、主に畏敬の念について扱います。
とにかく1年生は発言意欲が旺盛。でも、「はいはいはい、言いたい言いたーい!」ばかりで暴走するってことはなく、節度をもって対話していたのはさすがです。聞く力を持っている子も多いのですよ。
子どもたちと一緒に決めた問いは「空は何で美しいんだろう?」です。これは難題ですね。さあ、我らが1年生はどう立ち向かうのでしょうか!
なお、対話当初の発言では「空は何で青いのでしょう」と「空は何できれいなのでしょう」と混同しています。御承知の上お読みください。
では、p4c15分一本勝負の始まり始まり~!

「空が青いのは、宇宙が青くて、その内側が赤くて、・・・(この間複雑な理論が繰り広げられます)・・・だから青く見えるんだよ」
「太陽はオレンジっぽいでしょう。(ここでも複雑な理論が展開され)で、太陽の力で青くなる」
「空は、雲があるからきれいなんだ」
「そう。太陽が雲を照らして、光っているように見えるからきれいなんだよ」
「日本全国で空はつながっているでしょう。だからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、海の青い色を反射しているから」
「太陽が雲に反射してるから、空はきれい」

ここで私が介入します。
「ねえ、みんな。『空はどうして青いのか』じゃなくて、『空はどうしてきれいなのか』ってことで話し合わない?」
「空はどうしてきれいかって、だって、空はきれいなんだもの」
「なんできれいなのかって、虹があるからだよ」
「うん、雨の後、虹が出るからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、太陽が青色を反射してるからなんだよ」
「太陽は夕方海に戻っていくでしょう。そのとき赤く、きれいになるよ」
「夜のことでもいいですか?夜になると空に流れ星が見えるでしょう。だからきれい」
「空は宇宙のオレンジ色が映し出されているから、青と一緒になってきれいなんだ」

ここであるお子さんから重大発言。
「空って、朝は青くて、昼も青くて、夕方になるとオレンジになって、夜になると黒くなるよね。色が変わってきれいなんだ」
「そうだね。夜は黒ばかりじゃなくて、紫色も混ざっているように見える」
「空は雨が降ると、またきれいなんだと思う。その後、虹も出るし」
「そうそう。虹が出ると、空はきれいになるよね」
「あ、虹は雨が降った後、見える時と見えない時がある。めったにしか見られない。その時だけ」
「だからきれいなの?」
もう一回、私が発言します。先程の重大発言を受け、この対話をどこにもっていこうか悩みながらの問い掛けです。
「空って朝昼晩で色が変わるよね」
子どもたち「うんうん」
「雨が降る時も降らない時もある。降った後は虹が出る時があれば、出ない時もある」
子どもたち「うんうん」
「空って様々に変わるんだねえ。だから様々な色があってきれいなのかな。ねえ、空って「〇〇みたい」って言うとしたら、何みたいって言える?」
「う~ん。空って海みたい。青いから」
「空ってきれいだね」
「そうだ。空ってたくさんの絵がひとつになったみたいだよ」
「虹が出れば、オーロラみたいだしね」
「あ、海にはたくさんの種類の魚が泳いでるでしょう。空と一緒でその時々で変わる」
「ああ。世界と一緒だ・・・」

空の奥深さが美しさに関係しているのか分かりませんが、「空はどうして美しいのか」に焦点化された時の対話は、子どもたちが自分たちなりに「空の美しさ」の解明に挑んでいました。

途中での私の発言が、子どもたちの考えを深めたことになったかどうか。これについては議論の余地が大いにありそうですが、子どもたちは大変意欲的に発言していましたし、一人一人が「美しさ」についてよ~く考えていました。
結局、謎は謎のまま残されることになるのですが、空の不思議に畏敬の念をいだくきっかけになることを期待しています。
それにしても、1年生のみんな。君たちってすごいね。p4cと難問に果敢にチャレンジする精神と知性。私は君たちに畏敬の念を抱きますよ。