2024年11月の記事一覧

11月21日【5年PTA親子行事】いじめに関する講演

PTA5学年親子行事は、講演会。なんと上越教育大学いじめ・生徒指導研究研修センター長の教授 高橋 知己様からお出でいただいたのです。これはビックネームですねえ。昨日までは青森、明日は東京という引っ張りだこの先生です。この超御多忙の中、隙間を縫って当校5年生の親活動のためにお出でいただいたのですから、テンション爆上がりです!

で、結論から申し挙げると、これが期待に違わないものすごいご講演でした。まさにキョーレツーって感じで、言葉にならないほどの衝撃でした。

詳しい話は省略しますが、この話を聞いたらいじめなんて絶対にしてはならないって、誰でも思いますよ、そりゃあ。

これ、学校職員でも共有して、明日からまた子どもたちの健やかな成長のためにがんばります。

この講演会を企画してくださったPTA役員の皆様方、ありがとうございました。

そして高橋知己先生、本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。

11月21日【2年道徳p4c】勇気と努力と仲間の力

2年生はすごーく久しぶりのp4cとなります。
1学期にやった時には、自分の意見を言いたい気持ちが強すぎて、発言したことで満足していたよねえ、君たち。で、友だちの発言をよく聞こうって気持ちにならなかった子もいたじゃない。あれから、数か月。君たちがどれほど成長したのか、ものすごく楽しみにしてるんだ、私。
みたいなことを考えながら、コミュニティ・ボールをもって2年教室に入ると、みんな瞳がキラキラしています。楽しみだったんだねえ。瞳はダイヤモンドになってるもんね。
さて道徳。教材のあらすじは「丸くなる練習に飽きてしまっただんごむしのまるちゃん。風に飛ばされた葉っぱにしがみついていたまるちゃんは、冒険をしながら、赤とんぼにアドバイスをもらったりして、いつの間にか上手に丸くなることができるようになっていました。」というものです。
子どもたちが設定した問いは、「まるちゃんはどうして丸くなれたのかな?」です。
今日もバンバン発言が出るのかな?

「赤とんぼがアドバイスしてくれたからだよ」
「それと、葉っぱが牛の背中に落ちた時に、まるちゃんも一緒に落ちたんだけど、その時の衝撃で丸くなれるようになったんじゃないかな」
「まるちゃんが葉っぱに乗って風に吹かれているときに、体力をためたからできるようになったんだよ」
「そうそう。楽な姿勢で葉っぱに乗っていたから、リラックスできたんだ、きっと」
「そういうのもあったと思う。私はやっぱり、あきらめないで練習を頑張っていたからできたんだと思うな」
「うん、いっぱい練習したから」
「ねえ、最初まるちゃんは止まっているところで、形だけ丸くなろうとしていたでしょう。でも葉っぱが地面に落ちるときにまるちゃんが丸くなれたのは、形だけじゃなくて動きも取り入れたから、うまく丸くなれたんだと思うな」
「形だけじゃなくて、動きも練習したからだね」
「私は、まるちゃんが怖い目に遭いながらも、勇気をもってやっていたからだと思います」


教科書の叙述から、うまく丸くなれた原因について、あらかた発言があった後で、担任が問い掛けました。
「ねえ、赤とんぼのアドバイスもあってうまく丸くなれたんだとすると、もし赤とんぼがいなかったら、まるちゃんは丸くなれたと思う?」
おおー!さすが担任。いいとこ突きますね。
子どもたちは担任の言葉に敏感に反応し、自分の考えをどんどん発表していきます。
とにかく発言意欲が旺盛です。
「私は赤とんぼがいなくても、自信をもってできたと思う」
「私は、う~ん・・・、うまくできなくて、そのままどこかに行っちゃったかもしれないと・・・」
「そうかも。赤とんぼに励まされなかったら、まるちゃんは勇気が出なかったかもね」
「私はね、まるちゃんは赤とんぼがいなくても、『大丈夫かなあ。でも信じよう』ってがんばって練習したと思うよ」
「うん、きっとそうだよね」

この後、子どもたちの発言のキーワードとなる点を確認して、まるちゃんが丸くなれた理由をまとめました。

それにしても、2年生諸君!1学期から大きく成長したねえ!友だちの話を食い入るように見つめながら聴いていたじゃない!
2年生でもここまで対話できるようになったんだねえ。感慨無量。
このp4cでは途中で問いが変わったよね。1学期だったら、対話をよく聞いていなかったから、新しい問いなんてそっちのけで最初の問いについて発言し続けた子が多かったよねえ。でも今回君たちは、新しい問いにしっかり対応しながら対話を作っていったよね。ホント素晴らしいと思うよ。

発言意欲旺盛なだけじゃない、聴く力も以前とは比べものにならないくらい身に付けた2年生のみんな!これまで重ねてきた学びがしっかりと身体に残っている証拠だね。
お見事!また、みんなとp4cしたいなあ。

11月21日【6年学級活動p4c】人はなぜ無駄なことをするのか?

6年生は学級活動でp4c。
最近は学校職員はバンバンp4cやるようになっていて、平均すると毎日どこかの教室で必ずp4cやってるってくらいの計算になりそうですね。
6年生のこの日の問いは「人はなぜ無駄なことをするのか?」。かー、身につまされますねえ。とりあえず、先に謝っておいちゃおう。どうもすみませんです、はい。

問いを出した子の発言からスタートです。
「もっと効率的なやり方があるのに、非効率的なやり方でやってることがある。どうしてかなと思って」
「ねえ、『無駄』ってどういうこと?」出たー!いきなりクリティカル・シンキング。「そもそも」を問うってのは、深い考えに行きつくためには有効な手段です。さすが6年生!
「無駄って、言わなくていいことを言ったり、近道があるのにわざわざ遠回りしたりってこと」
「どうして近道を行かないことがあるんだろう?」
「近道は楽しくないから?遠回りすると、なんだかわくわくすることも」
「そうだね。遠回りしても、何か発見すれば、無駄にはならない」
「うん。何か発見すればね」
ここで私も発言。「何か発見してさ、それがものすごくくだらないものだったとしても、無駄にはならないの?」
「そうです。いくらくだらない発見だったとしても、発見は発見だから」
「私もそう思う。発見は発見」
「そうだね。私も同じ意見」
「私も。近道してた時には気付かないことを、遠回りしたときに初めて気付くことができたなんて、素敵じゃない」
「その時はくだらないと思ったとしても、あとで調べたら、もしかしたら、ものすごい発見だったかもしれないしね」
「そうだね」
「たとえくだらないと思っても、どんなものでも、自分が発見したのだから素直に喜べばいいんだよ」
「発見するってわくわくだよね。また、この道を通ったら発見できるかもしれないって、毎日またわくわくできる」
「何も見つからないって分かってるよりも、何か見つかったらいいことって思える。発見ってすごいことだと思うよ。そういうのって近道にはない楽しさだよね」
「うん。遠回りしたとしても、楽しさがある。新たなアイディアが生まれるかもよ」
「ぼくもそう思う。発見がなくてもいつもよりもたくさん歩いてるうちに、アイディアが生まれるかもしれない」
「私は遠回りしたらいいことがあるかもしれないと思うし、近道でもいいことあるかもって思う」
「遠回りでも近道でも、何かあるかもって物事をポジティブに捉えることができたらいいよね。近道したとしても、もっと近道があるかもって」
「必ず遠回り、必ず近道って決めておくんじゃなくて、「今日はこの道」って毎日違う道を行ったら面白だろうね」

「道の距離の問題だけじゃなくて、同じものでも、人によって、いいものもしょうもないものも違いがあると思う」
「そう。楽しさがある」
「遠回りの方が近道よりも安全なことが多いと思うよ。近道にはない楽しさがある。それは風景だったり。そう、好奇心!」
「好奇心の赴くままにってことかな。どちらの道を行っても無駄にはならないのかも」
楽しい対話が続きます。きっとこの対話も無駄じゃないはず。

「納豆って変な臭いって思う人いない?私も最初はそうだった。今は大好きだけど。納豆を最初に食べた人ってすごいなあって思う。すごい好奇心。すごくお腹がすいていたのかもしれないけれど」
「食べないで後悔するよりも、食べてまずーいって思う方がいいような」
「食べて見なきゃ、分からない。無駄なことってないのかも。これは食べちゃダメって一つの知識として蓄積される。どうなったら、どう使ったらいいかってのも一つの新たな知識になる」
「そういうことってある。いや逆にいい発見なんだよ。これは食べちゃダメとか買っちゃダメとかの」
「フグって猛毒があるでしょう。でも今は毒さえ食べなければ、残りの部分はすごくおいしいって分かってる。最初はその毒を食べちゃった人もいると思う。昔の人のそういう苦労が今に繋がってる。無駄を積み重ねていくことが成功になるんだ。人間ってさ、冒険する生き物なんだ!」
おおおおおっと!ものすごい発言。まさに格言、金言ですね。「人間って冒険する生き物」かあ。私の辞書に書き加えておこうっと。
「似たような話を聞いたことある。日本ではウニって食べられないと昔は思われていた。でも食べたらおいしかった。そういう発見をした。ご飯にお茶漬けっていうのも失敗しつつも様々に工夫することによって、さらにおいしくなる」
「そうだよ。生きていて無駄なことはない!無駄だと思わないっていう考え方が大事なんだと思うよ。要は考え方!」
あああああ、ありがとう!反省しきりの毎日ですが、この一言で、今夜はおいしい夕食になりそうです!

ところが、ここで発言がピタッと止まっちゃったのです。みんな言い尽くしちゃったのかな?
そこで私が介入。必殺技!
「ねえ、誰か深めて」
なんとー!必殺子どもに対話のかじ取りを委ねるの術!
すると・・・
「ねえ、好奇心って大事って議論になってるけど、どうしたら好奇心って湧くんだと思う?」
おおおおおおおおおー!これですよ、これ。子どもたちが対話を深めるべく、自分で新たな問いを提示したのです!
これまでp4cでは、対話中に純粋に疑問に思ったことを全体に問いという形で示すことはあっても、対話を深めようという明確な意思のもと発せられたこの発言。これは驚異の世界です!
いやー、びっくり。前のp4cで、対話を深めようと考えながら発言することが大事と結論付けた6年生ですが、今回早速その意図のもと対話が行われているのです。今夜はぐっすり眠れそうです!
「好奇心ってどうしたら湧くかって言うと・・・、面白いもの、わくわくするもの、やってみたいってものを常に探している、あるいはそういうのを感じるアンテナをもち続けることかな?」
す、すごーい。6年生、深める問いにしっかりと対応しますねえ。素晴らしい思考力!
「例えば松の子まつりで私たちは企画したよね。運営する中で、『こうやったら楽しめるかな?』とか、全校が楽しめるように考えたんだけど、そういうことを考えていることが好奇心をもてるようになるんじゃないかな?『これどうかな?試しにやってみよう』って」
「そうそう。ぼくたちの班はボール投げゲームをするんだけど、ただボールを投げるだけじゃ面白くないから、的を作ったり、ボールの代わりにフリスビーにしたりとか、試行錯誤をした。こういう工夫をするってことが大事なんだと思う」

圧巻のp4c!6年生、さすが!素晴らしいの一言に尽きます。今夜はいい夢見られそうです。ありがとう6年生!翌日の松の子まつり、すんごく楽しみにしていまーす!

11月20日【子どもたちの自主的・自律的活動】怖い話大会

もう何回目になるのか、分からなくなっちゃいましたが、今度は3年生が「やりたいですっ」と声をあげてくれました、怖い話大会。彼らがポスターを作って、掲示して、自分たちで情報委員会の5・6年生と交渉して放送で周知までしたんですよー!。大人の力をほとんど借りずに。開催日時の決定のため、教務主任と日程調整までしたのです。すごいバイタリティです。

*放送のアナウンスはみんなで協力して行っていました。しゃべっている子の周りを取り囲むようにして応援しています。団結ですね、団結!

彼らが描いたポスターは怖いような、かわいいような、何のポスターか分からないような(「ウナギーヌ」ってフランスの女優さんみたいね)、それでいてとっても素敵に出来上がりました。

約1週間後の開催になったようです。今から楽しみだね。多くの子が来てくれるといいね。

子どもたちの自主的・自律的活動。「自立的」って言っちゃってもいいかもしれません。教育課程には組み込まれない活動ですが、企画運営する子どもたちにとっては、とっても楽しい活動になっているようです。以前にもホームページで触れましたが、「怖い話大会」に加えて、現在絶賛企画中の「人間まちがい探し」などの昼休みの子どもたちによる企画運営活動は、実は持続可能な社会の創り手としての意欲と力量を高めるための活動なのです。まあ、そんな仰々しいこと言わず、単純に楽しいから子どもたちはやってるんでしょうけどね。

さあ11月28日。参加してくれる子たちはどんな怖い話をしてくれるのか、今から楽しみです。私も一つ用意しておこうっと。

11月20日【3年理科】子どもの頃、よくやったなあ

3年生は理科で光の進み方について学んでいます。

日光を鏡に反射させるとどのように光は進むのかなど、子どもたちは楽しく学んでいます。

さらに、この日は虫眼鏡で日光を一か所に集中させる活動にも取り組みました。ああ、出たー!これ、子どもの頃よくやったよなあ。日光で紙を焦がしまくったものです。

指導担当教師が「試しにやってみます!」とお手本を見せ始めると、子どもたちは教師の手元を固唾をのんで見ています。やがて、光が集中している一点から煙が上がり出し、「おおおー!煙だー」と歓声が上がりました。

昔取った杵柄とばかりに私もやってみたのですが、加齢のせいか手が震えちゃったりしてうまくいきません。「う~ん、太陽の光が弱まってきたかなあ」などと大宇宙のせいにしましたが、子どもたちは私の言い訳なんて全く耳に入っていない様子。自分でもやってみたいとそわそわドキドキわくわくで師範実験している教師ににじり寄っていきます。虫眼鏡を手に今にも立ち上がらんばかり。ははははは。指導担当の教師のゴーサインで、3年生は一斉に活動を開始しました。

実際にやってみたり、実物を見たりすることができるのが、理科という教科が興味関心を引く一つの理由なのでしょう。

楽しみながら学ぶ理科。3年生、いい勉強を重ねていますね。

11月20日【祖父母サポーター】第1回ボランティア

子どもたちの学ぶ環境整備など学校教育へのお手伝いをしていただく祖父母サポーターを募集したところ、何人か手を挙げてくださる方がお出でになりました。本当にありがたいことです。

第1回目の活動日となるこの日は、2人の方がボランティアで活動してくださいました。主に手洗い場の清掃です。普段子どもたちの手の届かない蛍光灯カバー上部など丁寧に清掃してくださいました。

また、祖父母サポーターの方が、趣味でお作りになった刺繍を学校にお持ちくださいました。とっても素敵な作品です。ありがたくお預かりし、早速校舎内に展示させていただきました。子どもたちの情操教育にも一役買ってくれそうです。たくさんお持ちくださったので、定期的に展示の入れ替えをすることもできそうです。

今後も原則として週1回のペースでボランティア活動をしていただけるとのことです。

教育の場に当たり前のようにして大人がいる環境こそが、教育の本来の姿なのだと思います。

このようにして学校のサポーターとして手を挙げてくださる方がいらっしゃることに心からの感謝と敬意を表しつつ、これからもともに子どもたちの成長のために力を尽くしていけたら嬉しいです。

 

   *   *   *   *   *

祖父母サポーター募集中!

校舎の美化など学校教育にご協力くださる「祖父母サポーター」を募集しています。

サポーターになってみようかなとか興味があるなあという方は、学校にご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

11月19日【1・6年歯科保健指導】むし歯・歯肉炎予防教室

この日、歯科衛生士様と保健推進員様をお招きして、全学年で歯科保健指導を実施しました。むし歯・歯肉炎予防教室です。
おなじみ「歯垢染出し」で、磨き残し箇所を確認して、正しくブラッシングし直します。
みんな、イーしながら手鏡とにらめっこ。ピンクに染まった口がまた愛らしいですね。
乳歯から生え変わったばかりの永久歯は、しばらくの間は大人の歯に比べて柔らかいため、丁寧にブラッシングしないとむし歯になりやすいのだそうです。どの子も丁寧に歯磨きをしていましたよ。
「ワニと違って、人間の永久歯は生え変わりません」と歯科衛生士様はおっしゃっていました。
一生付き合えるように、歯と丁寧に付き合っていこうね。

*この記事では、撮影できた1年生と6年生をご紹介します。

11月19日【1年食育】感謝して食べよう

給食の時間、1年生は今度は栄養士様をお招きして、食育指導。この日のテーマは「給食」でした。
給食の調理手順を教わり、さらに給食調理用の「しゃもじ」や「おたま」(のすごくでっかいやつ)を見せてもらうと、子どもたちは、「うわー!」「おおきいー!」と盛り上がっていました。
給食は子どもたちの手元に届くまで、調理や運搬等に30人以上の方々が携わってくださっているということも教えてもらいました。
子どもたちよ、私たちが生きるために、食材となってくれた命に感謝するとともに、給食業務に携わってくださっている皆さんに感謝だね。

11月18日【4年学級活動p4c】私たちはジュニア音楽祭で何を学んだのか?

感動の歌声を響かせた4年生のジュニア音楽祭。
この日、p4cで振り返りました
かなり長文になっちゃいましたので、覚悟してお読みください。ははははは。
4年生の今がここにあります!

まずは、感想の交流から。
「最初は緊張したけど、きれいな声で歌えました」
「今までで一番きれいに歌えたと思います」
「全員の心が一つになったと感じました」
「♪Beliveが私たちに合った歌だったから、最高の合唱になったと思いました」
「私はみんなと一緒に歌ったからできたと思います。一人じゃとてもできなかった」
「みんなが全力で歌ったからうまくできたのじゃないかな。このクラスのみんなと一緒に発表できてよかったです」
「みんなの声がたくさん出ていて嬉しくなりました」
「ピアノの伴奏がうまくできてよかったなあと思います。みんなも合唱がんばったと思います」
「うん。大きな声で歌えたし、よかったと思います」
「はじめはすごく緊張していたんだけれど、歌っているうちに緊張がなくなっていました」
「歌ったらスッキリした」
「私たちの声が思っていたより響いてびっくりしました」
「音を伸ばすところや大きい声を出すところがうまくできてよかったです」
「そう。裏声も上手に出せました」
「みんなで歌ったから、恥ずかしさも吹っ飛びました」
と、ここまでで早くもタイムアップ。
続きは、午後に持ち越しとなりました。
これから深めますよー!
対話の続きが楽しみ~!
早く午後にならないかなあ。

   *   *   *   *   *

午後になったよ!ははははは。
続きです。午前中の発言のキーワードを基に、4年生は対話を進めました。
「ジュニア音楽祭では私たち一人一人がバラバラじゃなくて、みんな一緒に全力でがんばったからできたんだと思う」
「一人だけでがんばって声を出しても、小さな声にしかならない。みんなで協力したから大きな声が出せたんだと思う」
「そうそう。みんなで全力で声を出したから、嬉しくもなったんだと思う」
「うん。そうやったら、恥ずかしさや緊張とかは吹っ飛んで大きな声を出せた。だから嬉しかったんだと思う」
「みんなで力を合わせたから嬉しくなったんだし、いつの間にか緊張が解けたんだと思う」
「みんなで全力で歌ったから、会場が嬉しさで溢れたんじゃないかな」
「Beliveって曲。タイトルは信じるって意味なんだよね」
「そうだね。仲間を信じる」
ここで私が介入。
「君たちはこれから様々な場面で緊張したり、不安になったりすると思う。例えばこのp4c。発言する時って緊張するよねえ。変なこと言っちゃったらどうしようとか馬鹿にされるんじゃないかって。そういう気持ちを乗り越えるために、今回学んだことを生かせないかな?」
「私は、私たちは、自分の意見を、ここにいるみんなは決して否定しないと信じてるから、安心して発言できるんだよね。これからも友だちを信じて発言したい」
「一人よりもみんなでやった方が喜びも嬉しさも大きくなるし、楽しくなる。ここに人を馬鹿にするような人はいないから、仲間を信じる」
「うん。それと一人よりもみんなでやった方がいいと思う」
「仲間を信じること。友だちを信じることって大事」
と、対話はここまで。午後はわずか15分間の対話でしたが、私またちょっとうるってきちゃいましたよー、もう君たち!
子どもたちに訊くと「またp4cをやりたい」って子が多数に上りました。

これまで学級全体での話し合いではそれほど活発な意見交流はできなかった4年生。
この日は違いましたねえ。
一皮むけたって感じがします。彼らは大きく成長しましたね。
これから新しい4年生が見られるんじゃないかしら。
そんな予感がします。

ここで、対話後に子どもたちが書いた振り返りを何人かピックアップしてご紹介します。
「p4c、楽しかったあ。またp4cをしたいと思いました。一人じゃなくてみんなでできるからかな」
「いつもなかなか発言することできないんだけど、今日は恥ずかしかったけど、意見を言うことができてよかったです」
「考えたり発言したりできて楽しかったです。またp4cをしたいと思いました。みんなを信じればいけるんだなと思いました」
「私は発言しなかったけど、みんなの話を聞いていて楽しかった。またp4cをやりたいです」
「仲間を信じるとは、聞く人にバカにされたりしないって思うこと。信じる。だから発表する自信が出るんだと思う」
「ジュニア音楽祭はこんなに大事なんだ、こんなに楽しく考えられるんだと思いました」
「音楽祭は、本当に一人の力だけじゃきれいな歌にはならなかったし、仲間を信じたからきれいな歌になったし、仲間を信じたからこそ、素晴らしい合唱になった!と考えます。午後ももっと考えを深められたのでよかったし、みんなで話し合えたのがとっても楽しかったのでまたやりたいです」
「p4cでは私は話せなかったけれど、友だちの気持ちが分かって嬉しかったです」
「ジュニア音楽祭での嬉しさや楽しさは一人じゃなかったと思いました。理由は一人で全力を出してがんばるより、仲間とともに達成できたのが嬉しかったんだ。『仲間を信じれば、ともにできる』。私は友だちのこの言葉を聞いて、何かやるとき、これを信じようと思いました」
「ジュニア音楽祭で学んだことが大きくて驚いた。発言できなかったけれど、様々なことを考えられてよかった」
「ジュニア音楽祭では最初はすごく緊張したし、恥ずかしかったけれど、みんなで全力のBeliveを歌ったと思う。築地小学校の4年生が歌うからこそ、輝くBeliveになったんだと改めて感じた。p4cでは、みんなの発言を聞きながら考えたことを発表するのは、すごく怖いし、緊張するけれど、『みんななら私の意見を否定しない、馬鹿にしない』って信じられる素敵な4年生だから、安心して意見を言えました」
「また音楽祭をやるなら、またみんなと一緒にやりたいと思いました。みんなとやれば楽しくできるからです」
「私はもっと意見を言えばよかったなあ」←大丈夫!発言したいって思っていれば、そのうちに発言できるようになるよ、きっと!

頭の中をうまく言語化できない子、言語化しきれない子もいますが、それでも何かしらの宝を彼らは獲得したことが分かります。
これから彼らがどう生きるのか。今回の学びをどう生かすのか。とっても楽しみです。
4年生のみんな、すばらしいp4cだったよー!お見事。
またやろうね!

11月15日【4年音楽】胎内市ジュニア音楽祭

ついに来ました、胎内市ジュニア音楽祭。今回で20回目を数えるのだそうです。

4番目に登場した我らが4年生。素敵な♪Beliveがホールを幸せオーラで包み込みます。

歌っている最中も、歌い終わった後も、子どもたちは充実の表情。ホントよかったもんね。

素晴らしい歌声をありがとう!

私の持論は、「素敵な歌声が響く学校(学級)はいい学校(学級)」。築地小学校の4年生はいい学級ということが改めて、この日証明されたのじゃないかしら。もちろん、他の学年もいい学級ですよー!

そしてほかの学校の歌声もとっても素敵でした。胎内市の小学4年生はみんないい学級だなあ。

学校に戻った彼らに感想を問うと、どんどん手が挙がります。やっぱり充実した活動の後は、話したくなるよねえ。

月曜日に振り返りをする予定なのだとか。どんなことを彼らが語るのか、楽しみです。

まずは、4年生のみんな。お疲れ様。素敵な歌声をありがとう。今日はゆっくり休んでね。

11月14日【4年音楽】合唱披露

 

11月13日。4年生は、その素晴らしい合唱を市の音楽祭さながらに全校児童に披露しました。

昼休み、体育間に集合した全校の子どもたち。4年生は緊張の面持ち。担任が音楽祭と同じように「次は築地小学校の皆さんです。お願いします!」とアナウンスすると・・・

4年生は声をそろえて、「はいっ!」と返事をして静々とステージに上がっていきました。

もうこれだけで、私うるっときちゃうんだなあ。ここでもう感動です。(「はやっ」って声が聞こえそうですね。)

そして、代表のお子さんが合唱曲と自分たちについて紹介すると、いよいよだなとさらに緊張感が高まります。

し~んとした雰囲気の中、静かにピアノ伴奏が始まると、そこでまた私はじ~ん。

ところが、そんな私をしり目に4年生は完全にスイッチが入っています。そして歌い出すと、私はもうその声量に圧倒され、胸がはちきれんばかりの感動です。なぜこれほどまでに感動するのでしょうか。多分それは歌声のすばらしさとともに、曲の歌詞が彼らそのものを表現しているからなのでしょう。

合唱が終わり、他学年の子どもたちが少し恥ずかし気に感想発表。感想発表したどのお子さんからも絶賛の雨嵐でした。

合唱披露後にタブレットをとおして書かれた、あるお子さんの感想です。「私は全部がきれいだと思いました。理由は歌詞がはっきり聞こえたからです。合唱をするとたくさんの人の声が混ざるので歌詞がよく分からないことがよくあります。でも、4年生の歌は歌詞がはっきりと聞こえました。多分その理由は、4年生の心が一つになっているからだと思います。歌っているときの目線が高くて、声を遠くに飛ばしているような感じがとてもよかったです。ピアノは音色がきれいなのもそうだけど、私がすごいと思ったのは一回も止まらず、間違えずに弾けていたことです。指揮者とのタイミングもばっちりで素晴らしいと思いました。金曜日が本番なので、それに向けてがんばってほしいと思います。本番が終わっても練習したことを忘れずに、きれいな歌を歌い続けてほしいと思います。ファイト‼」。4年生ももちろんですが、体育館で感想を発表した子も、その後でタブレットに書き込んだ子も、両方にあっぱれをあげてください!

合唱は市の音楽祭でいい歌を披露するだけが目的ではありません。4年生がみんなで力を合わせて合唱曲を創り上げる中で、きっと彼らは大切なものを獲得したのでしょう。合唱祭まであと数日。さらに歌声に磨きをかけ、自分たちの生き方にも磨きをかけてもらいたいと思います。

11月13日【6年学級活動p4c】ファシリテーターは豊田先生!

11月12日、13日の2日間に渡って、新潟大学佐渡自然共生科学センターの豊田光世教授が当校の子どもたちのp4cをご覧にお出でになりました。

この記事で紹介する6年生のp4cは豊田先生がファシリテーターをお勤めくださったんですよー。よかったねえ、6年生のみんな!

問いは「なぜ人はうそをついてしまうのか?」。もちろん、子どもたちが設定した問いです。

さて、ここで一つ、このホームページをご覧になっている皆さんにお詫びです。ここ数日、私大変バタバタしておりまして、ホームページのアップが滞っている次第です。で、これから立て続けに何件か記事をアップしますが(それもすべてp4c!)、いつものように対話を起こしている途中で、私体力の限界を迎え、大して対話を追えていない記事ばかりになります。も、もうしわけ、ございません!写真が中心の記事になります。

ただ、対話自体はどれも素晴らしいものばかりでした。子どもたち、着実に力を伸ばしているなあと感心しきりの数日間。

ここで紹介する6年生のp4cも大変、大変に素晴らしかったのですよ。豊田先生も大絶賛!今度、気力体力がみなぎっているときにアップしますね、いつになるか分かりませんが。

*ではこの記事を含め、これ以降、日を遡って、怒涛のp4c記事の連続になります。どどーん、ざっぱーん、どどーん!よろしくお願いいたします!

11月13日【5年学級活動p4c】学校は必要か?

時は令和6年11月13日。ところは5年教室となりの学習室。新潟大学佐渡自然共生科学センターの豊田光世教授をお迎えしてのp4c第2弾。ファシリテーターは5年担任です。

結論を言うと、これもまた素晴らしいp4c。意見が響き合い、学校の社会的意義にまで話は及んだp4cとなりました。豊田先生もやっぱり大絶賛!

ほんとすごかった!お見事。

11月12日【6年学級活動p4c】対話が深まるp4cって、どんなの?

さて、再び6年生。時は令和6年11月12日、ところは6年教室のとなりの学習室。

この時間はp4cについてp4cで深めます。こういうのメタp4cって言うの?

今まで彼らがやってきたp4cでも「深まったp4c」と「深まるというよりは広がったと言った方がいいp4c」の2つに分かれることに気付いた、我らが6年生。深い考えに到達するにはどうしたらいいのか、その方策を探求しました。

しかし、そう簡単にはいきません。あるお子さんが「ねえ、そもそも深まるってどういうこと?」と衝撃発言!こういうのクリティカル・シンキングって言うの?

子どもたちは対話の中で、一体どうなったら深まった状態であると考えたのでしょうか?

・最初の問いに対する答えのほかに、それ以外の考えに到達する対話

・今まで自分が持っていた考えより一層新しい考え、別の観点からの考えに到達する対話

・みんなが自分のことについて話していたんだけど、それが社会一般にも通用するような考えや価値観に到達する対話

などなど。恐るべし、6年生!

すごいなあ。私もくるくると舌を巻いたのでした。お見事!

*それにしても、最後あたりの写真のみんな。なんでこんなに前かがみになってんの?ははははは。面白いからそのままアップしちゃいます。

 

11月12日【3年学級活動p4c】どうしたらセーフティがあるp4cができるの?

時は令和6年11月12日。ところは3階視聴覚室。

新潟大学佐渡自然共生科学センターから豊田光世教授にお出でいただいてのp4c。2日間のうちの初日です。

ファシリテーターは3年担任。ビックネームをお呼びしてのp4cに3年生も声もやや小さくなり気味ですが、WRAITECを駆使したp4c、対話の中身は素晴らしいものでした。

豊田先生も感心しきり。

対話の内容を書くと、とてつもなく長くなっちゃうので、別の機会があれば、その時にご紹介しましょう。

今回は写真をた~~~っぷりとご覧ください。

とにかく素晴らしい対話でした!

11月7日【6年学級活動p4c】保育園時代の思い出

日付があっち行ったり、こっち行ったりですみません。

時は、令和6年11月7日。ところは6年教室。週1回のp4cで、この日はノンジャンル。問いは保育園時代の思い出です。

子どもたちは終始和気あいあいとした雰囲気の中、楽しく温かい対話が繰り広げられていきました。

しかし、君たちよく覚えてるねー。私なんて、もの心ついたのが小学1年生くらいだったような。保育園時代のことなんて、ほとんど忘れちゃってるもんなあ。

思い出しながら話すのも楽し、友だちの思い出を聞くも楽し。こんなp4cもいいね。

11月8日【5年国語p4c】綾はどこで最も成長したのか

怒涛のp4c紹介もこの記事で最後になります。

時は令和6年11月8日。5年生は胎内市内小学校の教員に対し、授業を公開しました。

教科は国語。『たずね人』を教材にp4cで深める授業です。

問いは「主人公の綾はどの場面で一番成長したのか」です。

授業後、他校の教員が驚いていたのは、子どもたち一人一人が相当教材を読み込んでいたこと。対話の中でいちいち教科書を開いて叙述を確認するまでもなく、子どもたちの頭の中には叙述がインプットされるほど繰り返し読んでいたのです。すごいなあ。

併せて指導者の先生からは、担任の授業構想力の高さについての指摘がありました。

子どもたちの輪の後ろを囲むように立ててあるパーテーション。掲示されているのは教科書の拡大コピーです。ダイナミックな教室掲示ですね。このほかに、『たずね人』に関係する戦争に関する図書も教室に置かれていました。『たずね人』の世界にどっぷり浸かりながら、子どもたちは学習を進めているのですね。

5年生、これからも国語の教科書を徹底的に読み込みながら、自ら読解力を鍛えていこうね。

11月8日【1年道徳p4c】空はどうして美しいのか?

ついに出ました、1年生のp4c!待ってましたー!
1年生は過去に1、2回体験しただけだったので、今回久しぶりのp4cの授業ということになります。
教科は道徳。『あめが あがって…』という教材で、主に畏敬の念について扱います。
とにかく1年生は発言意欲が旺盛。でも、「はいはいはい、言いたい言いたーい!」ばかりで暴走するってことはなく、節度をもって対話していたのはさすがです。聞く力を持っている子も多いのですよ。
子どもたちと一緒に決めた問いは「空は何で美しいんだろう?」です。これは難題ですね。さあ、我らが1年生はどう立ち向かうのでしょうか!
なお、対話当初の発言では「空は何で青いのでしょう」と「空は何できれいなのでしょう」と混同しています。御承知の上お読みください。
では、p4c15分一本勝負の始まり始まり~!

「空が青いのは、宇宙が青くて、その内側が赤くて、・・・(この間複雑な理論が繰り広げられます)・・・だから青く見えるんだよ」
「太陽はオレンジっぽいでしょう。(ここでも複雑な理論が展開され)で、太陽の力で青くなる」
「空は、雲があるからきれいなんだ」
「そう。太陽が雲を照らして、光っているように見えるからきれいなんだよ」
「日本全国で空はつながっているでしょう。だからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、海の青い色を反射しているから」
「太陽が雲に反射してるから、空はきれい」

ここで私が介入します。
「ねえ、みんな。『空はどうして青いのか』じゃなくて、『空はどうしてきれいなのか』ってことで話し合わない?」
「空はどうしてきれいかって、だって、空はきれいなんだもの」
「なんできれいなのかって、虹があるからだよ」
「うん、雨の後、虹が出るからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、太陽が青色を反射してるからなんだよ」
「太陽は夕方海に戻っていくでしょう。そのとき赤く、きれいになるよ」
「夜のことでもいいですか?夜になると空に流れ星が見えるでしょう。だからきれい」
「空は宇宙のオレンジ色が映し出されているから、青と一緒になってきれいなんだ」

ここであるお子さんから重大発言。
「空って、朝は青くて、昼も青くて、夕方になるとオレンジになって、夜になると黒くなるよね。色が変わってきれいなんだ」
「そうだね。夜は黒ばかりじゃなくて、紫色も混ざっているように見える」
「空は雨が降ると、またきれいなんだと思う。その後、虹も出るし」
「そうそう。虹が出ると、空はきれいになるよね」
「あ、虹は雨が降った後、見える時と見えない時がある。めったにしか見られない。その時だけ」
「だからきれいなの?」
もう一回、私が発言します。先程の重大発言を受け、この対話をどこにもっていこうか悩みながらの問い掛けです。
「空って朝昼晩で色が変わるよね」
子どもたち「うんうん」
「雨が降る時も降らない時もある。降った後は虹が出る時があれば、出ない時もある」
子どもたち「うんうん」
「空って様々に変わるんだねえ。だから様々な色があってきれいなのかな。ねえ、空って「〇〇みたい」って言うとしたら、何みたいって言える?」
「う~ん。空って海みたい。青いから」
「空ってきれいだね」
「そうだ。空ってたくさんの絵がひとつになったみたいだよ」
「虹が出れば、オーロラみたいだしね」
「あ、海にはたくさんの種類の魚が泳いでるでしょう。空と一緒でその時々で変わる」
「ああ。世界と一緒だ・・・」

空の奥深さが美しさに関係しているのか分かりませんが、「空はどうして美しいのか」に焦点化された時の対話は、子どもたちが自分たちなりに「空の美しさ」の解明に挑んでいました。

途中での私の発言が、子どもたちの考えを深めたことになったかどうか。これについては議論の余地が大いにありそうですが、子どもたちは大変意欲的に発言していましたし、一人一人が「美しさ」についてよ~く考えていました。
結局、謎は謎のまま残されることになるのですが、空の不思議に畏敬の念をいだくきっかけになることを期待しています。
それにしても、1年生のみんな。君たちってすごいね。p4cと難問に果敢にチャレンジする精神と知性。私は君たちに畏敬の念を抱きますよ。

11月7日【5年国語】ドラえもん考 ~主人公はドラえもんか?のび太か?~

5年生は国語でもp4cをやろうと、担任が考えに考えを重ねています。
そもそもp4cは、子どもの主体性を重視するために、問いの決定さえも子どもに委ねることを基本としています。
しかし、国語等の教科指導では毎時間、その時間に身に付けるべき学力や学習内容が決められています。
p4cで教科学習をする場合、子どもたちが設定した問いが本時のねらいからあまりに外れてしまっていては、その時間のねらいを達成するのは難しくなるでしょう。
だからこそ、子どもたちが適切な課題(問い)を設定する力を身に付けることが大切になってくるのです。

さて、現在5年生は国語『たずね人』の学習中。
なのに、担任は子どもたちにこう問いかけました。
「『ドラえもん』の主人公はドラえもんか?のび太か?」えええ、何で『ドラえもん』?って思いますよね。
それでも真面目な子どもたちは、主人公について「ドラえもん」派と「のび太」派に分かれて対話を始めました。

対話をする中で担任は、「主人公は、物語の中で成長する。逆に言えば、成長するのが物語の主人公なのだ」と考える視点を提示しました。
「私は、主人公はドラえもんだと思います。物語の一番最初に出てくるのはドラえもんだからです」
「私もドラえもんだと思います。第一、マンガのタイトルが『ドラえもん』でしょう」
しばらく、ドラえもん派の意見が続いた後、今度はのび太派の発言です。
「のび太には長所も短所もあるでしょう。で、のび太はドラえもんに助けられながら物語は進んでいく」
「ぼくものび太。ドラえもんが出てこない話もあるけれど、のび太は毎回出てくるし」
「ドラえもんには映画化されたものがたくさんあるけれど、みんな『のび太の~』ってのび太が冠についてるんだよ」
この発言には、私も含め、教室内でなるほど納得の雰囲気が充満しました。
結論としては、主人公は物語の中で成長する。『ドラえもん』ではのび太が主人公、というところに落ち着いたのです。

ここまで対話してきて、授業は漸く『たずね人』に帰ってきます。
担任が問いました。
「じゃあさ、『たずね人』の主人公は?」
すると、学級は「綾」派と「綾とアヤの二人」派に分かれました。
子どもたちが発言を繋げます。
「成長しているのは綾だよねえ」
「そう。様々な疑問を思い浮かべながら、アヤを探し続けるという体験をとおして、綾は成長している」
「うん。探すためにわざわざ広島まで行ってるんだから」
このほかにも、主人公はどちらか発言が続いた後で、「私はさっきまでは綾とアヤの二人が主人公だと思っていたけれど、みんなの意見を聞いて、綾が主人公だというように考えが変わりました」と発言するお子さんも。
さらにこの後、担任は、「明日この『たずね人』でp4cするんだけど、問いは何がいい?」と訊くと、子どもたちは担任との対話をとおして、「綾は物語の中で成長したんだけれど、一番大きく成長したのはどの場面か?」を問いに決めました。先ほどのドラえもん問答が効いてますね。
物語の読解を進めるうえで、子どもたちは適切な問い(課題)を設定することができました。すばらしい!
翌日の国語のp4c、5年生はどんな学びをするのかな。
とっても楽しみです。

最後の写真。国語は読解を進めるうえで、常に叙述に立ち返ることが重要です。主人公に関するp4cの後、子どもたちは担任の一斉指導を受けたのですが、椅子の背もたれに教科書が立て掛けてある子が多数いますね。話を聞きながら、常に叙述に立ち返っている5年生です。

11月6日【全校集会】生活目標と新清掃班

この日の昼休みに、全校集会が行われました。

まず、各種表彰。がんばっていい成績を収めることができた子どもたちに賞状を渡しました。授与された皆さん、よかったねえ。がんばりました。残念ながら表彰されなかった子どもたちも、君たちの頑張りは私も分かりますよー。次がんばろう!

その後は生活目標についての話。11月の生活目標は「5分前行動をしよう」です。担当教師から具体的な場面を取り上げて分かりやすく指導をしました。時間を守るという点で言えば、休み時間に校長室に遊びにくる子どもたちは、1・2年生でも時計を見ながら遅れないように行動しているんですよー。数分前になると互いに声かけあって、蜘蛛の子を散らすようにサーっと帰っちゃうんだもんなあ。私は感心しつつもちょっと寂しいです。明日また遊ぼうね、みんな。

最後は養護教諭から、翌日から始まる新清掃班についての話です。まだ、どこに自分の担当の清掃場所があるか分からない1年生がいるかもしれないので、1年教室に迎えに行きましょう、という趣旨でした。このようにして日常生活から思いやりの心を育てることができるよう働きかけています。

さすが子どもたちはみんなしっかりと聞いていました。

11月6日【2年算数】九九、がんばっています!

2年算数のヤマ場の一つは何かと問われれば・・・九九!と答える方は多いでしょう。
2年生で九九をしっかり覚えることは、この後の学習の理解や計算技能の向上に大きく影響します。
2年生は今、その九九の学習の真っただ中です。みんな一生懸命やってますねえ。
2年教室から九九を唱える声が聞こえてきたので覗いてみると、この日は8の段の勉強でした。
「八一が八、八二 十六、八三 二十四・・・」とみんなで声をそろえて唱えています。
そのまま見ていると、今度は席が隣の子とペアになって、一つずつ順番に唱え始めました。
子どもたちは様々な唱え方で九九を覚えているのですね。
しかし、これで終わりではありませんでした。
今度は「8×1=8、8×2=16、8×3=24・・・」とノートに書きながら唱え始めましたよ。

一体子どもたちはどんな覚え方をしているのだろうと子どもたちに訊くと・・・
① 教科書を見ながら、全員で唱える
② 教科書を見ないで、全員で唱える
③ ノートに書きながら唱える
④ 2人で交代で唱える
⑤ 子どもたち全員と教師が交代で唱える
⑥ 暗記カードをめくって式を見て答えを言い、裏返して正しい答えを確認する
⑦ 暗記カードを机に広げ、教師が言った数字が導き出せる式が書かれたカードを取る
⑧ 九九のビンゴゲーム 、九九かるた などなど

もっと詳しく聞けばさらに多様な方法が聞き出せたかもしれませんね。
叱られながら、ゴリゴリやって覚える方法もあるでしょうが、楽しく唱えながら、知らず知らずのうちに覚えていたってのが一番いいのかもしれませんね。
私は、7の段と8の段は苦手だったなあ。あと、6の段も。それと・・・、ははははは。そのうち全部が苦手ってことになっちゃいますね。
2年生、スムーズに唱えている子が多くて感心しました。
きっとご家庭の支援もあるのでしょうね。
ありがたいことです。
2年生、この調子でばっちり覚えられるといいね💛

それにしても最後の写真のお子さん、鉛筆が短くなっても大切に扱ってるなんて、偉いねえ!

11月5日【6年道徳】新潟水俣病についてのp4c

6年生は人権教育、同和教育の授業でp4c。この日は「水俣病」について深めます。
問いは、「どうして大変な思いをして水俣病訴訟を行ったのか?」です。

「やっぱり、自分は悪いことしてないのに、こんなにつらい目にあって、悔しいと思う」
「前にp4cでやったことを思い出したんだけど、無理解から偏見が生まれる。水俣病の方々がどんな思いをしているのかを分かろうとしないから、差別とかしちゃうんだと思う」
「うん。実際に会って話を聞いたりしないと」
「そうだね。無理解から始まっている。水俣病患者さんのことを理解していない」
「そうだと思う。水俣病の人のつらさを知らないんだ」
「人の手がしびれているのとかは、見た目だけじゃ分からないことがある」
「だから、仕事が遅いと、人は『何やってんだ』とかって怒っちゃうんだよ」
「水俣病の人を差別するなんて侮辱しているってことでしょう。あんなにつらい思いをしているのに心配すらしていない」
「まずは心配することが大事だと思うな」
「工場は工場排水を流したんだから、責任を取ってもらいたいって気持ちかな」
「今訴訟を起こして世間の理解を広げないとこれからも別の工場とかから有毒の排水が流されて、同じような苦しみの人がどんどん生み出されてしまう」
「うん。世間の無理解を何とかしたいって気持ち」
「水俣病にかかってても、『かかってないだろう』って言われる」
「だから訴訟を起こしたの?」
「水俣病についての世間の理解を広げ、深めるため」
「きっとそう。世間に知らせるためだよ」
「政治の面からも、もう工場の排水の垂れ流しはさせないように」
「工場の人は何で体に悪い排水を流し続けたんだろう?」
「会社や工場の人は分からなかったのかも。まさか体に悪いなんて思ってもみなかった。今までもそんな被害があったなんて聞いたこともなかったし」
「世間は自分に関係ないことって思っていたのかも。無関心」
「うん無関心。今に始まったことじゃないって」
教師「無関心によって状況が悪くなっちゃったことって、世界中にあると思うよ」
「あ!戦争!」
「ああ、ロシアとウクライナの」
「苦しんでいる人がいるってことを思い続ける。無関心はだめ」

そんなに長い時間のp4cではありませんでしたが、ここには記録しきれない細かな発言もあり、子どもたちは問題意識をもって対話をしていました。
相手の立場を考慮し、想像しながら対話したり、行動することって、私もとっても大事だと思うな。
いい対話、重ねてますね、6年生のみんな!

11月1日【胎内市教育の日】4年生感動の合唱

この日は「胎内市教育の日」。4年生の感動の合唱でスタートです!私なんて号泣に備えて、ティッシュを箱ごと持参して発表会場の体育館に行きましたもんね♪ で、また泣いちゃうんだなあ、これが。

最後の写真は、合唱終了後に、褒めてもらいにご家庭の方のもとに行った4年生です。担任が「家の方のところに行って褒めてもらいましょう」っていうものですから。はははは。素直な子どもたち。とっても素敵です。

11月1日【胎内市教育の日】学習参観

「胎内市教育の日」は、当校では午前の4時間を授業公開としました。私は、ありのままを見ていただこうという気持ちで、まったくのノーガード戦法の4時間。ご覧いただくことにしました!(もちろん、担任は授業の準備を相当して臨んでいたのでしょうが。)

各学年とも4時間ずつの公開です。ここでは各学年とも私が参観できた1時間ずつをご紹介します。

【1年生】生活科

1年生は生活科。「あったらいいな、こんなすごろく」という学習ですごろく作りをしていました。
どんなすごろくを作りたいか、担任が問うと「宝石」「電車」「恐竜」「深海魚」「車」「お菓子」「昆虫」「お花」などなどたくさーん出てきます。「秋!」という発言には、「ああ、今、秋だもんね」とセーフティ溢れる発言も聞かれます。
すごろくを面白くするために「1回休みとかのマスを作ったらいい」という発言にインスパイアされ、「海賊に捕まって2回休み」なんていうアイディアも出されました。担任が「おおー、いいねー。じゃあ、お菓子のすごろくだったら『お菓子を食べすぎたから1回休みとか?」と返すと、1年生はみんなあははははと爆笑。楽しい雰囲気の中で学習は進められていきました。
初めはすごろくってどんなの?どう作ったらいいの?という子どもたちでしたが、子どもたちみんなで意見を出し合うことで、どんどんイメージを膨らますことができました。

【2年生】国語

2年生は国語。話し合いについて学ぶ『そうだんに のってください』という教材文での勉強です。
グループごとに友だちの悩みを聞き合い、アドバイスをし合います。
あるお子さんに「ねえ、何を相談したの?」と訊くと・・・
「ぼくは、昼休みに何して遊んだらいいか迷う時があるんです。だから何して遊んだからいいと思う?って訊いたんです」
で、どうだった?
「遊具で遊ぶのは好きかって訊かれたから、『好きだよ』って答えたら、『遊具で遊んだり、体育館で遊んだりしたらいいよ』ってアドバイスをもらいました」
2年生、勉強も遊びも全力を尽くしていますねー!

【3年生】道徳

3年生は道徳。車いすの方に対して店員さんが「手が届かないでしょう」と一方的に言って商品を取ってあげたところ、車いすの方は悲しくなったという教材です。
班ごとに話し合い、さらに全体でも共有することによって、「相手が困っているだろうと勝手に決めつけてやってあげる」のは、良かれと思ってやったことでも時に相手を傷つけてしまうこともある。
子どもたちはクラスでの対話をとおして、こんな境地に辿り着いたのです。お見事!

【4年道徳】

4年生は道徳。『ふつうって何だろう』を教材に、多様性について考えを深めます。
子どもたちは机を合わせて、グループ学習をしていますね。
いやいやよく見ると、なんかp4cっぽいなあ。後で担任に訊いてみると、コミュニティ・ボールこそ使っていませんが、やっぱりp4cをグループごとに行っていたんだそうです。クラス全体という大人数だと委縮してしまい、発言が滞ってしまいがちになりますが、こうやって少ない人数で対話を行うと、活発な対話になりますね。
子どもたちは、男らしさ、女らしさなどを切り口に、ジェンダー・フリーについてそれぞれの思いを語り合いました。
問い「『わたし』は普通に合わせなくてはならないのかな?」で対話。子どもたちはみんな「合わせなくていい。自分らしく生きることが大事なのであって、男だから女だからと決めつけない方がいい」という考えに落ち着いていきました。

【5年】算数

5年生は算数。「2Lのジュースを〇人で分けた時の一人分は何Lになるか?」という問題から子どもたちの課題意識は高められていき、この日のメインの課題は「割り切れない時のわり算の商はどう表したらいいか?」になりました。
授業のスタートこそみんな座って学習していますが、途中から「学び合い」に突入すると、子どもたちは様々な子どもたちと教え合いながら課題解決に勤しんでいました。いい勉強しとるねー、君たち。

【6年】道徳

6年生の道徳は同和教育。テーマは「渋染一揆」。子どもたちが話し合っているうちに、p4cの問いは「差別はどうして生まれるか?」に落ち着きました。
ここでは対話について深く触れることはしませんが、子どもたちは自分の体験を踏まえ「好き嫌いから差別は生まれるんじゃないか?」「優越感が差別を助長する」「それはいじめも同じ」「みんな違ってみんないい、なんだけど、人に自分の価値観を押し付けようとすることから差別やいじめは生まれるんじゃないか」「相手に対する無理解が偏見に繋がり、差別になってしまうのでは?」などの発言が見られました。内なる差別心や偏見は誰の心にあるものです。まずは相手をよく理解すること、よく知ることが大切ですね。

11月1日【全校p4c】ファシリテーターは6年生!

実は私、夕べ眠れなかったんです、6時間くらいしか。ははははは。

この日の午後、全校p4cをすることにしていたのですが、全校が一堂に会してp4cをすると、時間的に話せない子がかなり多くなってしまいます。全校の前で話すには相当な勇気が必要でもありますしね。委縮してしまう子もいるかもしれません。そこで担当の教師は縦割り班ごとにp4cをすることにしたのです(とは言え、やっぱり一グループ当たり20人はいます)。

ただ大問題があります。ファシリテーターがグループの数だけ必要なのです。そこで、担当教師が考えたのが6年生がファシリテーターになるという案です。おーーーーーー!素晴らしいー!もう、このアイディアだけでご飯3杯いけます🍚🍚🍚🥢

さあ、6年生がファシリテートするp4c、どうなるのでしょうか!?(「大丈夫」と自分自身に言い聞かせつつ、とは言えやっぱり若干の心配があったので、眠れなかったというわけです。)

では、結論から申し上げましょう。

全校p4cを終えて6年教室に戻ってきた6年生の面々に訊いてみたのです。「君たち、p4cどうだった?」って。そうしたらですよ、みなさん、聞いてください!「校長先生、めっちゃうまくいきました!」「うちの班もみんなバンバン発言してくれて、とってもよかったです」「もう、サイコーでしたー!」と万歳しながら報告してくれるのです。まあ、中には「う~ん。イマイチでした。あんまり発言する人がいなくて・・・」という班の子もいましたが、それはそれでいいのです。じっくりじっくり考えているってことなのですから。

担当の教員と事前に話していたことは、「このチャレンジは確かにグレートチャレンジではあるが、子どもたちにとって大きな意義があることである」「彼らがファシリテートすることによって、彼らが対話の全体像を見据えながら対話するという視点を獲得することができるだろう」ということです。そして、彼らはこの2つをしっかりと成し遂げたと言ってもいいのではないかしら。よかったなあ、ほんと。

問いは「いじめは絶対にダメなのか?」。対話をとおして「いじめはやってもいい場合がある」と結論付けた班はありませんでした。逆にいじめは被害者の心に大きな傷を残すことになり、決してやってはならないことなのだと、全校の子どもが考えるに至ったと言ってもいいp4cでした。

発言する低学年の子たちのセーフティを守るべく、寄り添ってサポートする姿もまた素敵でした。

6年生、そして全校の子どもたちよ、お見事!君たちは素晴らしいと思うよ。

私は今夜ゆっくり眠れそうです。6時間半くらいかな?ははははは。