学校ブログ
11月8日【1年道徳p4c】空はどうして美しいのか?
ついに出ました、1年生のp4c!待ってましたー!
1年生は過去に1、2回体験しただけだったので、今回久しぶりのp4cの授業ということになります。
教科は道徳。『あめが あがって…』という教材で、主に畏敬の念について扱います。
とにかく1年生は発言意欲が旺盛。でも、「はいはいはい、言いたい言いたーい!」ばかりで暴走するってことはなく、節度をもって対話していたのはさすがです。聞く力を持っている子も多いのですよ。
子どもたちと一緒に決めた問いは「空は何で美しいんだろう?」です。これは難題ですね。さあ、我らが1年生はどう立ち向かうのでしょうか!
なお、対話当初の発言では「空は何で青いのでしょう」と「空は何できれいなのでしょう」と混同しています。御承知の上お読みください。
では、p4c15分一本勝負の始まり始まり~!
「空が青いのは、宇宙が青くて、その内側が赤くて、・・・(この間複雑な理論が繰り広げられます)・・・だから青く見えるんだよ」
「太陽はオレンジっぽいでしょう。(ここでも複雑な理論が展開され)で、太陽の力で青くなる」
「空は、雲があるからきれいなんだ」
「そう。太陽が雲を照らして、光っているように見えるからきれいなんだよ」
「日本全国で空はつながっているでしょう。だからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、海の青い色を反射しているから」
「太陽が雲に反射してるから、空はきれい」
ここで私が介入します。
「ねえ、みんな。『空はどうして青いのか』じゃなくて、『空はどうしてきれいなのか』ってことで話し合わない?」
「空はどうしてきれいかって、だって、空はきれいなんだもの」
「なんできれいなのかって、虹があるからだよ」
「うん、雨の後、虹が出るからきれいなんだと思う」
「空が青いのは、太陽が青色を反射してるからなんだよ」
「太陽は夕方海に戻っていくでしょう。そのとき赤く、きれいになるよ」
「夜のことでもいいですか?夜になると空に流れ星が見えるでしょう。だからきれい」
「空は宇宙のオレンジ色が映し出されているから、青と一緒になってきれいなんだ」
ここであるお子さんから重大発言。
「空って、朝は青くて、昼も青くて、夕方になるとオレンジになって、夜になると黒くなるよね。色が変わってきれいなんだ」
「そうだね。夜は黒ばかりじゃなくて、紫色も混ざっているように見える」
「空は雨が降ると、またきれいなんだと思う。その後、虹も出るし」
「そうそう。虹が出ると、空はきれいになるよね」
「あ、虹は雨が降った後、見える時と見えない時がある。めったにしか見られない。その時だけ」
「だからきれいなの?」
もう一回、私が発言します。先程の重大発言を受け、この対話をどこにもっていこうか悩みながらの問い掛けです。
「空って朝昼晩で色が変わるよね」
子どもたち「うんうん」
「雨が降る時も降らない時もある。降った後は虹が出る時があれば、出ない時もある」
子どもたち「うんうん」
「空って様々に変わるんだねえ。だから様々な色があってきれいなのかな。ねえ、空って「〇〇みたい」って言うとしたら、何みたいって言える?」
「う~ん。空って海みたい。青いから」
「空ってきれいだね」
「そうだ。空ってたくさんの絵がひとつになったみたいだよ」
「虹が出れば、オーロラみたいだしね」
「あ、海にはたくさんの種類の魚が泳いでるでしょう。空と一緒でその時々で変わる」
「ああ。世界と一緒だ・・・」
空の奥深さが美しさに関係しているのか分かりませんが、「空はどうして美しいのか」に焦点化された時の対話は、子どもたちが自分たちなりに「空の美しさ」の解明に挑んでいました。
途中での私の発言が、子どもたちの考えを深めたことになったかどうか。これについては議論の余地が大いにありそうですが、子どもたちは大変意欲的に発言していましたし、一人一人が「美しさ」についてよ~く考えていました。
結局、謎は謎のまま残されることになるのですが、空の不思議に畏敬の念をいだくきっかけになることを期待しています。
それにしても、1年生のみんな。君たちってすごいね。p4cと難問に果敢にチャレンジする精神と知性。私は君たちに畏敬の念を抱きますよ。
11月7日【5年国語】ドラえもん考 ~主人公はドラえもんか?のび太か?~
5年生は国語でもp4cをやろうと、担任が考えに考えを重ねています。
そもそもp4cは、子どもの主体性を重視するために、問いの決定さえも子どもに委ねることを基本としています。
しかし、国語等の教科指導では毎時間、その時間に身に付けるべき学力や学習内容が決められています。
p4cで教科学習をする場合、子どもたちが設定した問いが本時のねらいからあまりに外れてしまっていては、その時間のねらいを達成するのは難しくなるでしょう。
だからこそ、子どもたちが適切な課題(問い)を設定する力を身に付けることが大切になってくるのです。
さて、現在5年生は国語『たずね人』の学習中。
なのに、担任は子どもたちにこう問いかけました。
「『ドラえもん』の主人公はドラえもんか?のび太か?」えええ、何で『ドラえもん』?って思いますよね。
それでも真面目な子どもたちは、主人公について「ドラえもん」派と「のび太」派に分かれて対話を始めました。
対話をする中で担任は、「主人公は、物語の中で成長する。逆に言えば、成長するのが物語の主人公なのだ」と考える視点を提示しました。
「私は、主人公はドラえもんだと思います。物語の一番最初に出てくるのはドラえもんだからです」
「私もドラえもんだと思います。第一、マンガのタイトルが『ドラえもん』でしょう」
しばらく、ドラえもん派の意見が続いた後、今度はのび太派の発言です。
「のび太には長所も短所もあるでしょう。で、のび太はドラえもんに助けられながら物語は進んでいく」
「ぼくものび太。ドラえもんが出てこない話もあるけれど、のび太は毎回出てくるし」
「ドラえもんには映画化されたものがたくさんあるけれど、みんな『のび太の~』ってのび太が冠についてるんだよ」
この発言には、私も含め、教室内でなるほど納得の雰囲気が充満しました。
結論としては、主人公は物語の中で成長する。『ドラえもん』ではのび太が主人公、というところに落ち着いたのです。
ここまで対話してきて、授業は漸く『たずね人』に帰ってきます。
担任が問いました。
「じゃあさ、『たずね人』の主人公は?」
すると、学級は「綾」派と「綾とアヤの二人」派に分かれました。
子どもたちが発言を繋げます。
「成長しているのは綾だよねえ」
「そう。様々な疑問を思い浮かべながら、アヤを探し続けるという体験をとおして、綾は成長している」
「うん。探すためにわざわざ広島まで行ってるんだから」
このほかにも、主人公はどちらか発言が続いた後で、「私はさっきまでは綾とアヤの二人が主人公だと思っていたけれど、みんなの意見を聞いて、綾が主人公だというように考えが変わりました」と発言するお子さんも。
さらにこの後、担任は、「明日この『たずね人』でp4cするんだけど、問いは何がいい?」と訊くと、子どもたちは担任との対話をとおして、「綾は物語の中で成長したんだけれど、一番大きく成長したのはどの場面か?」を問いに決めました。先ほどのドラえもん問答が効いてますね。
物語の読解を進めるうえで、子どもたちは適切な問い(課題)を設定することができました。すばらしい!
翌日の国語のp4c、5年生はどんな学びをするのかな。
とっても楽しみです。
最後の写真。国語は読解を進めるうえで、常に叙述に立ち返ることが重要です。主人公に関するp4cの後、子どもたちは担任の一斉指導を受けたのですが、椅子の背もたれに教科書が立て掛けてある子が多数いますね。話を聞きながら、常に叙述に立ち返っている5年生です。
11月6日【全校集会】生活目標と新清掃班
この日の昼休みに、全校集会が行われました。
まず、各種表彰。がんばっていい成績を収めることができた子どもたちに賞状を渡しました。授与された皆さん、よかったねえ。がんばりました。残念ながら表彰されなかった子どもたちも、君たちの頑張りは私も分かりますよー。次がんばろう!
その後は生活目標についての話。11月の生活目標は「5分前行動をしよう」です。担当教師から具体的な場面を取り上げて分かりやすく指導をしました。時間を守るという点で言えば、休み時間に校長室に遊びにくる子どもたちは、1・2年生でも時計を見ながら遅れないように行動しているんですよー。数分前になると互いに声かけあって、蜘蛛の子を散らすようにサーっと帰っちゃうんだもんなあ。私は感心しつつもちょっと寂しいです。明日また遊ぼうね、みんな。
最後は養護教諭から、翌日から始まる新清掃班についての話です。まだ、どこに自分の担当の清掃場所があるか分からない1年生がいるかもしれないので、1年教室に迎えに行きましょう、という趣旨でした。このようにして日常生活から思いやりの心を育てることができるよう働きかけています。
さすが子どもたちはみんなしっかりと聞いていました。
11月6日【2年算数】九九、がんばっています!
2年算数のヤマ場の一つは何かと問われれば・・・九九!と答える方は多いでしょう。
2年生で九九をしっかり覚えることは、この後の学習の理解や計算技能の向上に大きく影響します。
2年生は今、その九九の学習の真っただ中です。みんな一生懸命やってますねえ。
2年教室から九九を唱える声が聞こえてきたので覗いてみると、この日は8の段の勉強でした。
「八一が八、八二 十六、八三 二十四・・・」とみんなで声をそろえて唱えています。
そのまま見ていると、今度は席が隣の子とペアになって、一つずつ順番に唱え始めました。
子どもたちは様々な唱え方で九九を覚えているのですね。
しかし、これで終わりではありませんでした。
今度は「8×1=8、8×2=16、8×3=24・・・」とノートに書きながら唱え始めましたよ。
一体子どもたちはどんな覚え方をしているのだろうと子どもたちに訊くと・・・
① 教科書を見ながら、全員で唱える
② 教科書を見ないで、全員で唱える
③ ノートに書きながら唱える
④ 2人で交代で唱える
⑤ 子どもたち全員と教師が交代で唱える
⑥ 暗記カードをめくって式を見て答えを言い、裏返して正しい答えを確認する
⑦ 暗記カードを机に広げ、教師が言った数字が導き出せる式が書かれたカードを取る
⑧ 九九のビンゴゲーム 、九九かるた などなど
もっと詳しく聞けばさらに多様な方法が聞き出せたかもしれませんね。
叱られながら、ゴリゴリやって覚える方法もあるでしょうが、楽しく唱えながら、知らず知らずのうちに覚えていたってのが一番いいのかもしれませんね。
私は、7の段と8の段は苦手だったなあ。あと、6の段も。それと・・・、ははははは。そのうち全部が苦手ってことになっちゃいますね。
2年生、スムーズに唱えている子が多くて感心しました。
きっとご家庭の支援もあるのでしょうね。
ありがたいことです。
2年生、この調子でばっちり覚えられるといいね💛
それにしても最後の写真のお子さん、鉛筆が短くなっても大切に扱ってるなんて、偉いねえ!
11月5日【6年道徳】新潟水俣病についてのp4c
6年生は人権教育、同和教育の授業でp4c。この日は「水俣病」について深めます。
問いは、「どうして大変な思いをして水俣病訴訟を行ったのか?」です。
「やっぱり、自分は悪いことしてないのに、こんなにつらい目にあって、悔しいと思う」
「前にp4cでやったことを思い出したんだけど、無理解から偏見が生まれる。水俣病の方々がどんな思いをしているのかを分かろうとしないから、差別とかしちゃうんだと思う」
「うん。実際に会って話を聞いたりしないと」
「そうだね。無理解から始まっている。水俣病患者さんのことを理解していない」
「そうだと思う。水俣病の人のつらさを知らないんだ」
「人の手がしびれているのとかは、見た目だけじゃ分からないことがある」
「だから、仕事が遅いと、人は『何やってんだ』とかって怒っちゃうんだよ」
「水俣病の人を差別するなんて侮辱しているってことでしょう。あんなにつらい思いをしているのに心配すらしていない」
「まずは心配することが大事だと思うな」
「工場は工場排水を流したんだから、責任を取ってもらいたいって気持ちかな」
「今訴訟を起こして世間の理解を広げないとこれからも別の工場とかから有毒の排水が流されて、同じような苦しみの人がどんどん生み出されてしまう」
「うん。世間の無理解を何とかしたいって気持ち」
「水俣病にかかってても、『かかってないだろう』って言われる」
「だから訴訟を起こしたの?」
「水俣病についての世間の理解を広げ、深めるため」
「きっとそう。世間に知らせるためだよ」
「政治の面からも、もう工場の排水の垂れ流しはさせないように」
「工場の人は何で体に悪い排水を流し続けたんだろう?」
「会社や工場の人は分からなかったのかも。まさか体に悪いなんて思ってもみなかった。今までもそんな被害があったなんて聞いたこともなかったし」
「世間は自分に関係ないことって思っていたのかも。無関心」
「うん無関心。今に始まったことじゃないって」
教師「無関心によって状況が悪くなっちゃったことって、世界中にあると思うよ」
「あ!戦争!」
「ああ、ロシアとウクライナの」
「苦しんでいる人がいるってことを思い続ける。無関心はだめ」
そんなに長い時間のp4cではありませんでしたが、ここには記録しきれない細かな発言もあり、子どもたちは問題意識をもって対話をしていました。
相手の立場を考慮し、想像しながら対話したり、行動することって、私もとっても大事だと思うな。
いい対話、重ねてますね、6年生のみんな!