2024年5月の記事一覧
5月24日【6年p4cの後】問い続ける
この前日、p4cで運動会を振り返った我らが6年生。その余韻冷めやらぬうちに、自主学習として、改めて自分の考えを書き記し、まとめたお子さんがいました。その最後の部分だけ抜粋してご紹介します。
「応援賞、総合優勝は、分かりやすくしただけの結果で、どちらがよりがんばったかなんて数値にはできないと思う。だから負けても勝っても悔いはないと言える。」
また、別のお子さんも家庭で改めて自分の考えを書いてきたのだそうです。読ませてもらうと、運動会でも自分の頑張りを誇りに思っているような書きぶりで、さらに前日のp4cについては「p4cをやった中で、一番意見や考えを出すことができたと思いました」と締めくくってありました。
いずれも自分自身を見つめ、思いを言語化した素晴らしい振り返り。
私が大切にしたいことの一つに「問い続ける」ことがあります。「考え続ける」と言い換えてもいいでしょう。p4cが終わっても、ずっと考え続けることにより、より深い考えに到達できると思います。それを実践している子どもたちに拍手を贈ります。素晴らしいじゃないですか、君たち!
5月24日 教育相談センター
先日、市の教育相談センターの相談員様がお出でになり、案内チラシをくださいました。
相談してみようかなとお思いの保護者様は直接市の教育相談センターにお問合せください。
5月23日【2年道徳p4c】発言意欲が旺盛です
2年生は道徳でp4c。
それにしても、2年生。ほんっっっとに発言意欲が旺盛ですね。発言が途切れることがありません。
私が手を挙げても、「自分たちがもっと話したい!」となかなかコミュニティ・ボールを回してくれないですもの、くっすん(涙)。ははははは。
教材は好きなことを追求して名を成した長谷川町子さんの逸話です。
小さいころには絵が好きで、毎日ノートを4、5冊描いていたとか。
問いは「どうして町子さんは絵を描くのが好きなんだろう」から始まり、やがて「好きなことでも毎日続けるのは大変。どうして町子さんは続けたんだろう?」に変わっていきました。
2年生は、自分の経験を踏まえて、長谷川町子になって想像していました。
相手の立場に立てるようになるのは、他者理解に大きくつながることになります。
2年生、これからも友だちを大切に、セーフティ溢れる学級を創っていってね。
5月23日【6年p4c】エピソードで運動会を振り返る
シリーズ「エピソードで運動会を振り返る」第2弾。今回は6年生。
最近、対話において成長著しい6年生が、あの運動会で中心的役割を果たした体験をどう語るのか。
予め子どもたちが書いた感想を読ませてもらうと、そこには一人一人の思いがたくさん詰まっていました。これはきっと素晴らしい語りを彼らは繰り広げてくれるのだろう、素晴らしい対話になるだろうと大いに期待して臨んだこのp4c。
結果は・・・。
結論から申し上げると、これがまた期待にたがわぬ対話となったのです!
私は彼らの対話に引き込まれ、対話記録は満足に取れず、写真も数枚しか撮れずってことで・・・すみません。とほほ。
概略をお伝えすることでどうかお許しください。
問いは、私が設定した「私は運動会でどんな心を獲得したのか」、4年生と同じです。
さて、問いが発表され、対話はスタートしましたが、なかなか挙手がありません。あれれと思いつつも、私がおだてたりすかしたりするうちに、漸く1人の勇者が挙手して発言しました。
彼女がとつとつと語るその姿は、まるで荒波に一人で立ち向かうかのようです。
周囲の子どもたちはじっとこの雄姿を見つめています。
彼女が発言し終え、ふーと一息つきましたが、しかし、それに続く勇者が出てきません。
しばらく待ちましたが、誰も挙手しようとしないのです。手元に発言するための原稿があるにもかかわらずです。
私は業を煮やして一喝!「君たち、〇〇さんは意を決して、先陣を切って発言した。素晴らしい発言だった。自信はなかったかもしれないけれど、きっと『誰か私の後に続いて、私たちのこのp4cを成立させてほしい』そんな祈りにも似た気持ちで発言したに違いないんだ。しかし、誰もその後に続こうとしないじゃないか!彼女の勇気を無駄にするのか!この場を形成している君たちはセーフティに溢れているはずだろう。なのになぜ彼女を一人にしておくのか!誰か彼女と一緒に対話に参加しようとする人はいないのか!彼女の思いに報いようとする勇者はいないのか!」
このように言ったことに対して賛否はあるでしょう。でも、私は先陣を切った彼女を一人きりにしておけなかったのです。そして、この6年生たちなら、必ずや彼女とともに立ち上がろうとするに違いない。私も祈るような気持ちで発言したのです。
するとどうでしょう。一気に何人もの6年生がパパパッと挙手したのです。みんな意を決したような顔つきです。
第1発言者の彼女は笑みを湛えながら、「〇〇さん」と優しくコミュニティ・ボールを第2発言者となる女の子に投げました。
さあ、第2発言者の女の子。「〇〇さんが声を枯らしているように、私も声が枯れるほど大きな声で応援しました。当日はのどが痛くてのど飴を2つも3つもほおばって応援をしました」。途中涙ぐみながらも懸命に語る彼女の尊さと言ったらありません。うつむきながら語る彼女の周りの子どもたちから自然と拍手が沸き上がります。それでもまだ彼女は語り終えようとはしないのです。胸の中に沸き上がるような思いがあるのでしょう。本当に素晴らしい!しびれました!!
その後、彼女が語り終えた瞬間、それを待っていたかのように、たくさんの手が挙がりました。
ここまで来たらもう大丈夫。p4cは完全に6年生の手に渡りました。
ここから発言が出るは出るはの大行進。
まさに怒涛のような発言量で私は途中から記録を取るのを諦めました。
彼らの発言から、キーワードだけ紹介しますね。
「がんばった」「応援の力」「支えられたから立ち上がれた」「負けたけれど・・・支え合い、チーム意識で」「心では負けていない」「恥ずかしさを克服」「苦手を克服」「不安は仲間の姿を見て乗り越え」「団長としての責任」「バネ!自らを成長させる」「仲間の姿」「思い切り」「楽しくていい思い出に」「全力」「勇気」「大切にしたい心」・・・。
対話の後半、私が問いかけました。「4年生がこんなこと言ってた。『もしも負けたら、がんばればがんばった分だけ、悔しさも大きくなる』。確かにそうだろうと思う。悔しさが大きくなるなら、初めからがんばらない方がいいんじゃない?がんばるって大変だしさ。大してがんばらなければ負けてもそれほど悔しくないなら、がんばらない方がいい」
「みんなでがんばって練習してきた。結局、私は白組だったから負けちゃったけれど、それでも自分たちの最高が出せたんじゃないかって思う」
「うん。私たちにとっては今回が小学校最後の運動会だった。負けても勝っても最後。そういうこともあってがんばった。結果は負けたけれど、なんか嬉しかったよ」
「そう。最後の運動会だったから、競技の部も応援の部も2冠取りたかったから、全力でやった。全力で」
「私も本当に一生懸命やった。負けて悔しいとは思うけれど、でもいい運動会だったって言える」
「最後まで赤も白も圧倒的な差はなかった。互いにがんばったから。悔いはない。やり切った」
「この運動会は、5月18日だけで終わるんじゃない。これからも日常生活の中でも生きてくると思う」
「仲間とかチームのために全力でやること。クラス、班のためにみんなで全力でやること。この大切さって普段の生活でも同じじゃないかな」
「運動会ではスローガンだとか、2冠だとか、一つの目標に向かって真剣に取り組んだ」
「ぼくはホント全力を出した。このような気持ちになれたことを、日常生活でも生かせればいいなと思う」
「100m走は苦手だったけれど、できる限りがんばろうって思って走ったんだ。苦手だからあきらめようじゃなくて、苦手だけどがんばろうって」
「スローガンでも『あきらめず』ってある。苦手なことでもがんばろうって思う」
「全力を出さないで負けて終わるなんて。最初からあきらめないでイチかバチかでがんばらなくちゃ」
「100m走では勝てなかったけれど、でも一番いい走りができたような気がする」
「仲間のことを思う気持ちとか目標に向かう気持ちが私たちに力をくれたんじゃないかな」
「そう。だから運動会で団結力が高まったって言えると思う」
とにかく、発話数が多かったので、記録しきれなかったのですが、大体こんな趣旨での発言が続きました。
p4cの冒頭で、私に一喝されたのが嘘のようです。
これは参りました。お見事。素晴らしいリフレクション。君たち、また一つ階段を上ったね。
5月22日 5年生田植え体験
JA北新潟青年部の皆さんから、田植え体験をさせていただきました。
まず、目印を付ける工程を見学し、植え方を聞いて、いざ、チャレンジ。
田んぼに入ったときは悲鳴、歓声がたくさん聞かれました。何ともいえない田んぼの土の感触を体感しました。
一時間ほどの時間、みんな夢中になって苗を植えました。
秋には、稲刈りをさせていただきます。それまでの稲の成長の様子をまた観察に来たいと思います。
田植えまでの準備、今後の稲刈りまでの管理と、JAの皆さんから子どもたちのために多大なるご協力をいただき、深く感謝いたします。
5月22日 読み聞かせ
図書館指導員さんが、この日の昼休みに読み聞かせをしてくださいました。
図書館指導員さんの読み聞かせの技術も素晴らしく、集まった2年生は楽しんでいました。
それにしても昼休みに読み聞かせを聞きたい子たちだけが集まるこの読み聞かせ。自由な雰囲気で素敵な活動だと思います。
よかったね、みんな。
5月22日【給食】阿賀北ポークは無償提供
この日の給食のメニューに「阿賀北ポークのごまみそだれ」があります。
月に1回阿賀北ポークを食材にしたメニューが登場していますが、実はこれ、地元の阿賀北ファーム様が「地元の子どもたちに安全で美味しい豚肉を食べて知ってもらいたい!」という思いから無償で提供してくださっているものなのです。
この日のメニューは子どもたちの好みに合っていたようで、余った阿賀北ポークについてはじゃんけんで争奪戦が繰り広げられていました。ははははは。よかったね、みんな。
写真は舌鼓を連打している1年生と2年生です。
5月22日【4年p4c】エピソードで運動会を振り返る
4年生は宿題として記入してきたワークシートを手に運動会の振り返りp4cです。
問いは今回私が設定しました。
「私は運動会でどんな心を獲得したのか!?」です。おー!ずばり単刀直入に訊いちゃいましたね。
子どもたちは自分の運動会でのエピソードを語りながら、自分が獲得した心について対話します。
では対話の様子を見ていきましょう。
「応援では5・6年生がいつも引っ張っていてくれました。5・6年生が競技しているときの応援は4年生が5・6年生の真似をして応援を組織しました。そうしたら、4年生だけでも下級生をまとめることができました」
「綱引きでは、みんなで力を合わせて引っ張って、勝ったのでよかったです」
「徒競走では同じ組の人たちがみんな速い人たちばかりだったので負けそうだなって思っていました。でも全力で走ったらなんと1位を獲ることができました。よかったです」
「応援練習では大きな声を出せていなかったのですが、自分でもこれではダメだと思ったので、本番には大きな声で応援しました。すると、何か楽しくなっちゃってよかったです」
「私も応援の時、大きな声を出せたからよかったです。私が競技しているときに、みんなががんばって応援していてくれたから、今度は自分も一生懸命応援しようって思ったんです」
「綱引きの時、みんなで声を合わせて、力も合わせてがんばりました」
「〇〇さんが大きな声を出してみたらと言ってくれたので大きな声で応援したら先生に褒められたんです。それから今まで以上に大きな声出さなくっちゃって思うようになりました」
「私はみんなの競技する姿を見たり、応援してもらったりしたから、自分なりにがんばることができました。その時、自分でも思ってた以上に頑張ることができてびっくりしました」
「徒競走ではたくさん練習して1位を獲れたのでよかったです」
「前に言った人がいたんだけど、ぼくも5・6年生が競技しているときに4年生だけで応援することができてすごいなあと思いました」
「私はみんなががんばっていたから大きな声を出そうって思いました。そしたら大きな声を出すことができて嬉しかった。がんばればできるんだなあって思いました」
「さっきの話と同じなんだけれど、5・6年生が走っている時には4年生だけで応援団を組織して応援しました。それが楽しかったです」
「うん。4年生だけで応援団をリードするときには、その場で太鼓はだれが叩くかとか担当を決めたりして応援しました。みんながキビキビ動いててよかったです」
「私は5・6年生に下級生のまとめ方とか指導の仕方とかを教えてもらいました。今度は私が下の学年の子たちに教えたいです」
「綱引きでは負けちゃったけど、競技中はみんなで声を合わせて力を合わせてやっていて、それが心の支えになりました」
「ダンスは、練習の時はうまくいかなかったんです。でも5・6年生がお手本になってくれたからうまくできるようになっていきました。嬉しかったです」
「綱引きは力を合わせてやったら勝てて嬉しかったです」
「運動会で印象に残ったことは、全員で力を合わせてがんばったことです」
「ぼくも似ています。綱引きで勝てたのは、みんなで力を合わせたからだと思います」
「応援合戦では声を合わせてやりました。ダンスではうまくいかなかいなあって思ってたんだけど、上手だって言われて自分でもびっくりしました」
「練習では大きい声を出せなかったんだけど、運動会当日には大きな声を出せました」
「運動会の開会式で、校長先生が不思議な気持ちになるっておっしゃってたから、競技しながら『不思議な気持ちってどんな気持ちなんだろう』ってずっと思っていました。結局負けちゃったんだけど、全力でやったから、楽しかったんです。その時に楽しいのは勝ち負けは関係ないんだなあと思いました」
「応援合戦の時、声を枯らしていた6年生がいて、すごいなあって思いました」
「80m走では2位を獲れました。運動会全体でも2冠が獲れていい気持ちです」
教師「運動会ではみんなが楽しかったり、嬉しかったり、いい気持になったりしたみたいね。それは2冠とも赤組に取られちゃった白組の人たちも同じなの?だって負けちゃったんだよ」
白組の子「負けたけど、でも楽しかったです。がんばったからかな」
白組の子「勝てたら嬉しいだろうけど、負けても嬉しいって気持ちは変わらないかな」
教師「嬉しいとか楽しいってどういうときに感じるんだと思う?」
「白組もがんばってたから、嬉しかったし楽しかったんだと思います」
「全力で競技したり、応援したりした時かな」
「あと、力を合わせてやった時」
「精一杯やった時」
「やっぱりがんばった時だと思う」
「私もそう思う。一生懸命がんばればがんばるほど、その分負けた時は悔しくなるんだろうけど・・・」
教師「じゃあさ、がんばればその分負けた時に余計悔しくなるなら、最初からがんばらない方がいいんじゃないの。がんばらないから練習とかもつらくないし、簡単に負けちゃうかもしれないけれど、負けても悔しくなければいいんじゃない?」
子どもたちはそうじゃないって顔して、私を見ています。
もう残り時間もわずかなので、ちょっと強引なのですが次を最後の問い掛けにしました。
教師「ねえ、みんな、負けたら悔しいけれど、それでも全力を出すって子はどれくらいいるのかな?」
すると、全員が挙手!
これを見届けて、このp4cは幕としました。
体験活動中の自分自身を振り返り、体験が内包する道徳的価値を自分との関係として改めてとらえたこの時間。
頭の中でぼんやりとしていた道徳的価値を、仲間と協働的に対話することによって、より確かなものにすることができたのではないでしょうか。
それにしても、運動会で自分のエピソードを語りたい子が多く、それを深める時間は必ずしも十分ではありませんでしたが、子どもたちは友だちの話を聞くことを楽しんでいました。
p4cが終わると自然と拍手が沸き起こりました。
さらにその後、数人のお子さんが私のところに来て、「校長先生、p4c、とっても楽しかったです」と感想を言ってくれました。
仲間と対話することを楽しむ子、仲間と協働的に学ぶことに意欲的になっていた4年生。
なんかいい感じ。これからバンバンといい学びを重ねることができそうです。
とってもよかったねえ、4年生のみんな。
5月21日【6年道徳p4c】友だち
この日、6年生が道徳でp4c。ファシリテーターは担任です。おー!
テーマは「友だち」。かなり広いテーマですね。
子どもたちから問いを募ると、素敵な問いが集まりました。分類すると次のようになりました。
・どこからどこまでが友だちか?
・仲よくするにはどうしたらいいか。
・なぜ、友だちができるのだろう?
・何でも言い合えるのが本当の友だちなのか?
・本当の友情とは何か?
この中で選ばれたのは、「なぜ友だちができるのだろう?」です。
これは期待できそうな問いですね。
では、対話の様子を見ていきましょう。
「もともと、どうして友だちってできるのだろうって、疑問に思っていたんです」
「多分、自分と意見が合ったり、相性が良かったりしていると、いつの間にか友だちの一人になっているんじゃないかなって思います」
「そうだね。一緒にいて楽しかったりすると自然に友だちになっているって感じかな」
教師「みんなは友だちって作りたい?」
「そうですね。一人だと怖いっていうか、不安に思っちゃうことがある。誰かと一緒にいたい」
「周囲が知らない人ばかりだと楽しくない。そんなときは友だちを作りたいって思う」
教師「じゃあ、友だちがいなくて一人ぼっちの人はかわいそうだと思う?」
「はい。やっぱり一人の子はかわいそうだと思う。友だちがいないなんて」
「ぼくも友だちがいないと寂しいし、楽しくない。一人ぼっちの子がいたらかわいそうだと思う、きっと」
「一人でいるときにはスマホとかしているのかな。でも仲間がいなくて、ずっとスマホしかすることないとしたらかわいそう」
「誰でも一人でいたいときってあると思う。だから、『あの子は一人でいたいのかな、それともみんなといたいんだけど一人にならざるを得ないのかな』って見極めてから話しかけたりすることが大事だと思う」
「う~ん。でもさ、一人ぼっちで『かわいそう』って、同情するってことになるから、あんまりよくないんじゃない?」
「一人ぼっちの子は、やっぱり見ててかわいそうって思うよ。その子の立場になって考えると、悲しんでると思う」
教師「一人ぼっちで友だちになりたいって思っても、声に出せない子もいるんじゃない」
「そうですね。もし、一人でいる子がいたら話しかけて、どうしたのって訊いてみるといいんじゃない?」
教師「私、大阪の地下鉄に乗っているときに電車内で火事があったの。みんな逃げたんだけど、私の近くに車いすの方がいたから思わず『一緒に逃げましょうか?』って訊いたら『お願いします』って言うから一緒に逃げたのね。安全なところにまで逃げることができたから別れたんだけど、そのまま一緒だったら友だちになってたかもね」
「何かきっかけがあるといいのかも。お礼を言い合ったりして仲良くなれると思う」
「そうだね。そういうきっかけを台無しにしないようにしなくちゃ」
「ぼくは、きっかけがあってもなくても、自分から話しかければいいんじゃないかなって思うよ」
「ぼくも、この子と友だちになれたら楽しそうっていう子がいたら、どんどん話しかけたらいいと思う」
「うん。遊びとかでも、友だちじゃなかったとしても、仲良くなれるよう声を掛けることって大事なんじゃないかな」
「うん。遊びも差別につながらない遊びをするといいと思う。そういう遊びにして自分から誘うとかね」
「この対話のまとめみたいになっちゃうんだけど、友だちをつくるには自分から話しかけることが大切ってことだよね」
「でもさっき先生が言ってたみたいに、勇気が出ないこともあるし、そういう人もいる。そんなときには、仲間になってくれそうな人にお願いして、一緒に声を掛けてもらうといい」
教師「私、学生時代には最初友だちがいなかった。知らない人に話しかけるのは恥ずかしかった。でも陸上競技をやっているなど共通のことがある人と一緒に過ごすうちに友だちになれて、そこから友だち関係が広がっていったんだ。中国からの留学生とも友だちになれたよ」
「ぼくたちは、やがてそれぞれ違う学校に行くことになる。友だちが誰もいない学校もあると思う。そんなときには自分から話しかけることが大事だと思う。レッツ・トライだよ!チャレンジ!自分で道を切り拓いていくんだよ!」
「もしも、すぐに話しかけることができなくても、いずれは話しかけることができるようにするといい。勇気を持って」
「先生がお話になった地下鉄の話。車いすの人は、「自分がいたら相手に迷惑になるんじゃないか」「邪魔になるんじゃないか」って思っちゃったんじゃない?車いすは幅もとるし。だから言い出せなかった。そんな時は障害のない自分たちが積極的に声を掛けるべきなんじゃないかな」
「相手が緊張しているかもしれない時にもね」
「相手と同じ目線に立って、考えることが大事だと思う」
「先生がおっしゃってた逃げるのを手伝ってもらったとか、友だちのなり方って人それぞれ違う」
「ちょっとしたことがきっかけで友だちになれることってある。相手の状況を見抜く力と話しかける勇気が大切なんだ」
「最初は嫌いだったけれど、仲良くなることってある」
「そうそう。その人の悪いところばかりじゃなくて、いいところを見るようにしないと」
「うん。人間って相手の悪いところばかりが目に付いちゃうのかも。いいところを見るようにしよう」
「相手のいいところを見るようにすると、悪い人と決めつけていた相手が、自分にはないようないいところをもっていることに気付けるかも。そういう人と友だちになれたらいいな」
「相手のいいところを探すようにしよう。そうしたら、相手のいいところも悪いところも、みんな合わせて好きになるんじゃないかな」
「気に食わない相手ほど、いいところがあるんだなっていう発見が多いと思うよ」
対話自体は30分間程度。
「友だちのでき方」から「友だちのなり方あるいは作り方」、最後には他者理解に基づいた「人付き合い全般」にまで話は広がりました。
今までも、発言数こそ多くはなかったけれど、いい意見が出ていた6年生のp4c。
それが発言数も多くなると、このような素晴らしい対話になるのですね。
6年生、なんか覚醒してきたなあ。すごい!恐るべし6年生!
5月21日【4年ノンジャンルp4c】世界はどうして戦争を繰り返してしまうのか
4年生もp4c。テーマはノンジャンルとしたところ、今回も素晴らしい問いが並びましたよー。で、選ばれた問いは次のものでした。
ジャーン!「どうして戦争は起きてしまうのか?/世界はどうして戦争を繰り返してしまうのか?」
おー!子どもたち、相当怒っています!そりゃあそうですよね。私は大人の一人として、子どもたちに謝りたいと思います。どうもすみませんです。
さて、対話。
問いを出した子たちから、問いを出した理由を発言します。
「人を殺すのはよくないことだって、戦争をしている人たちはよく知っているはず。なのに、どうして戦争を起こすんだろうって」
「ぼくも戦争なんて繰り返してほしくない。でもなぜ繰り返すのかと思う」
そうでしょうとも、そうでしょうとも。私もそう思います。
では対話の続きを見ていきましょう。
「私も戦争を起こすのはよくないと思う。どうして起こしちゃうんだろうって思う」
教師「みんなはさ、戦争って誰が起こすんだと思う?」
「その国の大統領だと思うよ、大統領」
「私は相手の国に恨みを持っている人」
「その国の兵隊さんたちじゃないの?」
「やっぱり私も恨みを持っている人だと思う」
教師「自分の考えをもった人たちが、考えの違いから戦争を起こしてしまうんだと思う」
「相手の国をうらやましいと思う人たちだとか」
教師「もしみんながある国の大統領だとして、自分の国の人が相手の国の人に10人殺されたら、報復しますか?」
全員に訊いてみると、ほとんどの子が「報復しない」に挙手しました。
「報復する」に挙手したことは2、3人。
そこでその子たちに理由を尋ねてみました。
「人数の問題じゃない。一人でも、もしかしたら殺されたその一人が、その後研究とかして国が大きく栄えることに貢献するかもしれないでしょう。誰もがその可能性を持っているんだから、一人でも殺されたら報復する」
「でも自分の国の人々が殺されたからと言って報復したら、戦争になっちゃう。それがたとえたくさんの人が殺されたとしても、戦争したらもっとたくさんの人が死んでしまうことになるでしょう。報復とか復讐とかはしちゃだめなんだと思う」
この後、「報復・復讐をするべきか」と「してはならないのか」で、それぞれの発言が重ねられました。
やがて、「報復・復讐はしてはならない」と考える子どもたちが多数を占めていきました。
そんなこんなでタイムアップ。
子どもたちはまだまだ言い足りない様子。
機会を見て、続きをやりたいねということで、この日の対話は終了しました。
4年生、対話にも徐々に慣れてきました。回数を重ねるうちに、強固なセーフティが構築され、もっと多様な、そして深い対話が繰り広げられていくでしょうね。
それにしても、社会的な事象にも目を向けている4年生。素晴らしいです。
この気持ちを維持しつつ、地域連携活動やp4cを続けていけば、持続可能な社会を創ろうとする気持ちと力の土台を持つことができるだろうと思います。
今後が期待できる4年生。この調子でがんばれ!