2024年5月の記事一覧

5月14日【まなび図工】墨絵とそのタイトル

まなび学級の廊下には3枚の墨絵が掲示されていました。

どれも素晴らしい出来栄え。さらにそれぞれのタイトルにもセンスが溢れていますねえ。

この学級は以前にもビー玉に絵の具を塗りつけて転がすことによって描くビー玉アートに取り組んでもいたのです。抽象画を描くのにも様々な技法があるのですね。子どもたちは様々な技法を楽しみながら、偶然性にも左右されつつ出来上がる素敵な絵を描いています。

「爆発したその少し前」

「テレビジョン」「山を割るとき」

 

5月14日【2年学級活動】学習規律

2年教室の前を通ると、2年生は何やら話し合っています。何を話し合っているのかなと覗くと、学級全員がどんな行動をしたらポイントをもらえるようにしたらいいか相談しているようなのです。
子どもたちは様々なアイディアをどんどん出していきます。
・清潔検査が全項目〇のとき
・授業の準備がきちんとできていたとき
・先生や友だちが話しているとき静かに聞けたとき
・休み時間が終わりそうになったら友だちに教えることができたとき
・セーフティが守れたとき
・授業中、みんなが手を挙げたとき
・図書館で静かに本を読んでいたとき
・読書カードが〇枚になったとき
・みんなが学校に来たとき
・ケンカせずに楽しく過ごせたとき
・静かに給食を食べることができたとき
・放送を静かに聞けたとき   などなど

担任は、「学校生活を送る上で望ましい行動は?」などとは訊きません。
「望ましい行為」を「ポイントをためることができる行為」ととらえ直し、さらに何ポイントかためることができたら「お楽しみ会ができる!」というルールにして、子どもたちが意欲的に生活改善ができるよう仕掛けたのです。
我らが2年生はみんな真面目ですからね、「家でゲームをやったときにポイントをもらえるようにしたらいい」なんて言う子はいないのです。
「靴下を全員が履いてきたときポイントをもらえる」というように難易度が低いものを挙げる子もいません。
よりよくなりたいという気持ちが溢れているのですね。
さらに授業の最後に、担任は次のように話しました。
「ポイントを集めてお楽しみ会を行うことが目的ではありません。この学級がよりよくなることを目的にしたポイント制なのです」
本来の趣旨から外れないための話。まさにその通りですね。
この調子なら、規律正しい学級が出来上がりそうです。

さて、全体での話し合いの最中に、担任は周囲の子どもたちと相談するように促した場面がありました。
学校で指導をする際、教師と子どもが、1対1でのやり取りに陥ってしまうことがよくあります。
ときにはこのような問答形式の指導が必要な場合があります。
しかし、それだけだと子どもの主体的な学びになりにくくなってしまう面があります。
子どもだけで話し合いを組織できるようにする力を育てることは、協働的に学ぶ術を獲得させることに直結します。
この時間、2年担任がねらったのはまさにそのような意図があったのでしょう。
一人で考え、ペアで相談し、学級全体で話し合う。様々なパターンの学び方をしている2年生。
大変重要なことだと思います。

 

5月13日【1年道徳p4c】笑顔も言葉

シリーズ「はじめてのp4c」もいよいよ大詰め。というか最終回!この1年生を最後に全学年がp4cを体験したことになります。
しかーし!入学したばかりの、ついこの前まで保育園児だった1年生に対話なんてできるのでしょうか!?
結論から言えば、できちゃったんですなあ、これが。それも立派に、素晴らしいp4cが!
今回は、道徳の教科書の1・2ページ目の詩をもとに対話しました。
こんな詩です。

  えがおも、ことばだよ。

 わらっているこは、うれしそう。
 ないているこは、かなしそう。
 おこっているこは、くるしそう。
 
 かおをみていると、ともだちのことが なんとなくわかる。
 しゃべっていないのに、なにかいっている。
 
 おなじように、じぶんのかおも、だれかにきもちを、つたえているのかも。

 えがおもことばだ。
 わらいかけると、すきがつたわる。
 わらいかけると、もっとなかよくなれる。

 ともだちをおもう、ちから。

さて、いつものように問いは子どもたちが設定します。
1年生が設定した問いは「なんでしゃべっていないのに、しゃべっていると同じように伝わるの?」です。この詩の本質をついていますね、すごい。
もう、設定された問いから素晴らしいですもの、期待できそうです!

さて、対話。
初めてのp4cなのに、子どもたちは発言意欲旺盛です。
主な対話の様子を見ていきましょう。

「私、なんで顔で分かるのかなあっていうと、目つきが鋭いときには怒っているなあって分かるし、泣いているときには悲しんでいるなあって分かるし、笑っているときには学んでいるんだなあって分かるよ」
おおー!いきなりすごい意見が出ました!そして、案の定、ほかの子たちが反応しました。
「え、学んでいる?あ、学んでいるって、勉強とかして上手になって嬉しいってことなの?」
「うん、そうだよ」
かー!恐るべし、1年生!!こんな発言が冒頭から出されるなんて!
しかし、対話は始まったばかり。まだまだ続きますよー。

「ぼく、思ったんだけど、泣いてる子に「泣かないで」って言っても泣き止んでくれないときがある。どうしてなんだろう?」
おー、新たな視点が出されました。なんと、もう子どもたちが対話を進めているんですね。
「ぼくはね、友だちの顔見ると、どんなこと考えているのか、みんな分かるよ」
「へえ、すごい。どういうふうに?紹介してみて」
「泣いている子とか、悲しい顔している子には、優しくしたらいいかなあって思うの」
「なんで友だちがしゃべっていないのに、友だちが話したいことが分かるんだろう。みんなの気持ちが分かる」
「友だちとなら顔だけでも分かるし、顔見て気持ちが分かれば、もっと友だちになれて、仲良くなって、もっと楽しくなるんだよ」
「そう。気持ちによって顔が違うから、どんな感じなのか分かる。怒っている表情のときは怒っているんだし、泣いているとき、涙が流れていれば悲しいんだよ。げらげら笑っていれば楽しいんだな、おかしいんだなって」
「うん。すごく怒っているときは、もしかしたら死にたいって思っているのかも。そんなとき、私は何か言おうと思うんだけれど、相手はずっと話し続けているし、言うスキがないっていうか話せない。『いったん話を止めて』って言えばいいのかな?」
「さっき、〇〇さんが言ってたことなんだけど、・・・・・あれ、なんだっけ、忘れちゃった」
1年生はこの発言の続きが聞きたいと見えて、じっとこのお子さんを見つめています。
「あ、そうそう。なんでしゃべっていないのに、顔を見ていれば分かるのかというと、そんなときは・・・、う~ん。でも相手が怒っているときには、傷ついているんじゃないかなって思うよ」

と、ここでタイムアップ!
約20分間、ノンストップの対話でした。
時間があれば、もっと子どもたちだけの対話は続いたでしょうし、もっと深いところまで行けたのではないかと思える素晴らしい対話でした。
これが小学校入門期の子どもたちなんですものねえ、びっくり!
頭の中のモヤモヤしたものを臆せずに言語化しようと奮闘するその姿に感激しました。
そして、そんな友だちを、1年生は固唾を飲んで見つめているんだもの。
「セーフティ(心理的安全性)」と「ワンダー(知的好奇心)」溢れるこの時間。

それにしても、子どもたちの発言の端々に光る圧倒的な優しさ!なんという美しさでしょう。心洗われるようです。今夜は風呂に入らなくてもよさそうです、ははははは。
いいもの見せてもらいました。お見事、1年生。

5月13日【5年算数】深い学びに至る過程

5年教室を覗くと算数の勉強中でした。何の勉強かというと「比例」です。
授業では大きな課題が設定され、その課題を解決するために、小さな問いがいくつか設定されていました。小さな問いを解決していくことで大きな課題を解決できるという授業デザインです。
さて、課題は「リボンと代金の長さにはどんな関係があるかな」。かなり大きな概念を問うものですね。


これに対して小さな問いは、より具体的な数値で問うものが並べられました。
子どもたちは担任と、あるいは子ども同士で対話しながら問いを一つずつ解決していきます。
そして、最後の問い「では、リボン15mなら代金はいくらでしょう?」に至る頃には、子どもたちはリボンの代金は「1m当たりの代金×リボンの長さ」で代金を求められることを理解していました。
この段階で、担任はとどめの問い掛け!
「で、これらから言えることは?」
おー!出たー!まさに、具体的な事柄から一般化された法則を導き出す思考を促す問い掛けです。
深い学びというのは、具体的な事柄から一般化された法則を導き出す過程でなされると言われます。その逆、法則から具体的な事柄を推測する過程でもまたしかり。
この担任の問い掛けに、子どもたちは「長さが変わると、代金も変わります」と答え、さらには「リボンが1m長くなるに伴って90円ずつ増えます」、そして「長さが2倍、3倍・・・になると、代金も2倍、3倍・・・になります」と答えました。
担任は適宜子どもたちと対話しながら、「一方の値が2倍、3倍・・・になると、もう一方の値が2倍、3倍・・・になる関係を、『比例している』と言います」と結論付けました。
具体と一般を往還させること、帰納法と演繹法を行ったり来たりさせることで、子どもたちの深い学びを促したこの時間。
5年生、高度な勉強を重ねていますね。

5月10日 市教育委員会によるあいさつ運動

この日の朝、市教育委員会から多くの方々があいさつ運動にお出でくださいました。ありがたいことです。何人かの子どもたちも加勢してくれました。

いつもように登校すると、玄関の前に来てたじろぐ子どもたち。ははははは。そうですよね、分かってはいても、大勢の大人がいると。

それでも、「おはようございまーす」と言われると、恥ずかしながらもちゃんと挨拶を返す築地小学校の子どもたちです。